カウンセリングの中で「人にものを頼むのが苦手で困っている」と
語られる方はひじょうに多くいます。
これはそういう性格の人がたくさんいるということ以前に、
「人に頼みごとをする」という行為そのものが、
誰にとってもなかなか難しいものであるという事実がまずあるように思います。
この「人に頼みごとをする」という行為のように、
その行為が誰にとってもなかなか難しいものであるという性質がある場合には、
「これは自分だけでなく、誰にとってもやりづらさのある行動なんだ」ということを、
まずしっかりと認めた方がかえって楽になるように思います。
それによって、自分を過度に責めてしまうことを避けられるし、
「誰にとってもやりづらい行動ではあるけれど、
では自分よりもう少し気楽に、上手にその行動を取っている他の人たちは、
どのような心境で、どのような頼み方をしながら、
そのやりづらい行動を取って行っているのだろう?」と、
多少視野を広く持って、柔軟に考え始める余裕も生まれるからです。
(心理士 清見)