自分の気持ちの状態にありのまま気づくということは、
カウンセリングのもっとも基本的な作用機序のひとつであり、
気持ちを整理し、解決に向けての第一歩を踏み出すために
欠かせない大切なステップです。
しかしそれは傷口を洗って消毒するような
ちょっとした痛みを伴う作業となる場合があるものですし、
「ああ、やっぱり自分が辛くなったきっかけはこれだなあ」等と
思い当たった内容は、
我ながらいくぶん情けない内容だったりして、
少々ほろ苦い気持ち(いやもっと苦しい気持ちまでも…)を
味わったりすることもあるかも知れません…。
カウンセリグでは、
ひとりでやるとずいぶんと辛いことも
あるかも知れないその作業を、
カウンセラーと2人で取り組むことで、
そのきつさを理解しようとする誰かと一緒に
共同で取り組む、協力者の存在する作業へと変えていきます。
たとえそれが少々ほろ苦い気持ちでも、
自分の気持ちにありのまま気づくことができるようになるということは、
ある種の強さや勇気や柔軟性の表れであり、
カウンセリングを通して身についたその強さは
一生を通した財産となるものだと思います。
心理士 清見