ありのままの気持ちの動きと、そこから生じる感情を、
見つめることはカウンセリングの中での大きな作業のひとつになります。
そのときに生じやすいのは、
すごく嫌だ、不安だ、怒りを感じる…などの感情だけがあって、
自分の中で何がどうなってそういう感情になるのか
いまひとつよく分からないということや、
何らかのマイナスの感情が生じていること自体を
否定したくなるような反応です。
そういった感情を自己観察していくのは、
確かに少ししんどい作業ではあるのですが、
そういう時に役に立つのは、
身体感覚が自分の身体の状態を知らせてくれる信号のような役割をしてくれるのと同様、
感情にも自分の気持ちの状態を知らせてくれるアラームのような機能が
あるという捉え方をしてみることです。
そう捉えてみることで、
イヤな感情(苦痛)を慌てて打ち消そうとして心の中に閉じ込めたり、
感情で心が揺れ動いてしまうこと自体を、
情けないこと、弱いことだと思って無理に振り払おうとしたりしてしまわずに、
まずは感情が起こるがままに任せて、
ゆっくり観察してみようとする心構えに入りやすくなります。
そこから苦痛な感情に対する気づきや解放も、
逆に見えてきやすくなるものです。
(心理士 清見)