感情は自分の置かれている状況について
何かを教えてくれるサインとしての働きをもっています。
不安は、時間的には未来(一瞬先であれ、遠い未来であれ)に意識が向いている状態で、
「これから先のことに安全が確保されていないと自分が感じていること」を
知らせてくれる役割があります。
不安は活動のスピードを落とし、
慎重に考えたり行動したりするという反応と親和性があります。
不快な感情ではありますが、
不安を感じていることに気づいたら、
慌てて打ち消すよりも、
何を不安と感じているかをと考え、
これから先のことにゆっくりと慎重に備えるという行動を取ることで
より根本から安心することができます。
(仕事や試験のことで不安を感じているんだなと自覚したなら、その準備をする等)。
あるいは柔軟に、不安に感じている予定や行動を取りやめることも
ひとつの選択肢としてありえるでしょう。
しかし中には行動として備えようのない不安もあります。
(例:試験を受けた後、受かっているかどうかが不安になるとき等…)。
行動として備えようのない不安に対しては、
以前に書いた
参考にしてくださればと思います。
備えようある不安と、備えようのない不安があると区別しておくことは、
不安な気持ちを抱えた際に、
対処の方針を考える上で、わりと大切な助けのひとつとなると思われます。
(心理士 清見)