他者とのコミュニケーションの中で
自分の気持ちを表現するにはまず、
いま自分が何を思っているか、何を言いたいのか、
自分の気持ちを把握する必要があります。
自分の気持ちを把握するためには、
他人の思惑や外界の状況をいったん切り離し、
さまざまな自分の中の不安材料も脇に置いておいて、
自分の気持ちを素直に受け止め、自分が何を言いたいと思っているかを
自分の中で確かめてみることが大切です。
しかし自分の気持ちを、対人状況の中で
リアルタイムに把握することに、
多少の難しさを覚える方もいることでしょう。
(あるいはこれは別にとくべつなことではなく、
多くの人が味わったことのある、よくある感覚かも知れません)。
上手く言えなかったこと、
何と言っていいか分からなかったことがあったときには、
あとからで良いので、
一人の時間に、改めて自分の気持ちを言葉にしてみたり、
文字で書いて表現してみたりすることによっても、
自分の気持ちを言葉にして表現することが
徐々にうまくなっていくことでしょう。
そして、まずはそう上手く言えなくても良いから、
安心できる相手との間で自分の気持ちを表現して、
理解されたり伝わったりする経験を積み重ねることで、
いま自分が心の中で何を思い、どういう気持ちなのかを、
他者を前にしながらの対人状況においても、
把握できるようになっていくことでしょう。
(心理士 清見)