カウンセリングの中でのやりとりは、
まず相談に来られた方が自分の気持ちを語ったら、
それをカウンセラーがしっかりと聴いて理解し、
双方の間に共通理解が広がったという感覚が起こることが、
何といっても大切です。
そういうやり取りを通してこそ、
相談に来られた方の気持ちが多少なりとも軽くなりはじめ、
そこから自分のあるがままの気持ちを見つめる勇気も、
視点を変えて解決策を思いつく柔軟性も
より出てくるものだと思います。
一方で問題の解決のためには、
必ず毎回ではないにせよ、
気持ちの整理に加えて、
具体的な解決策を考えていく必要もあります。
それは次のカウンセリングまでに無理なくできる
ごく小さな工夫からでよいと思われます。
それは、「こういう小さな行動を取ってみるのはどうか」、
「こういう風に考えて過ごしてみた結果、気持ちは楽になるかどうか」、
「こういう視点をもって日常で観察してみたら結果はどうか」といった小さなものであり、
カウンセラーから提案される場合もあれば、
ご本人が思いつく場合や、本人とカウンセラーで共に考えて思いついた
という場合もあるでしょう。
カウンセリングの中に、
気持ちの整理に加えて、ほんの少し具体的な解決策について
話し合われる要素が入っていることは、とても大切です。
ただ、カウンセリングの中で出てきて、
「では次までにこれを試してみよう」ということになった方法について、
それを上手く行かさなくては…と
プレッシャーに感じすぎたりしないでほしいと思います。
「今回出てきたアイディアを日常で試したらどうなるか見てみよう」という
「どうなるか試してみる」くらいの気持ちでやってみて、
上手くいかなくても、
「日常生活で試してみると違う難しさが出てきて、
もう少し工夫がいるということが分かった」、
「やって見た結果、自分の場合はここがこう難しいと思った」といったような観察結果を持ってきてくだされば、
それに基づいて、そこをどうすればよいかまた共同で次の話し合いを進めていき、
そのやりとりの繰り返しで、
カウンセリングが深まっていくものだと思います。
心理士 清見