カウンセリングで、
自分の行動を変えたいと語られるとき、
それはやはり、対人的な行動の傾向を変えたい
という希望(こういう場面で、もっとこう言えるようになりたい、
こう振る舞えるようになりたい…など)であったりすることが
多いものです。
対人的な行動を変えていくには、
ある程度の場数を踏む必要はどうしてもあるでしょう。
しかし、こういう風にしたいという行動を、
とにかくどんな場面でも取っていこうとするだけでは、
その行動自体に疲れてしまって、
かえって定着しにくくなることでしょう。
ある程度は日常の中ですでにできている部分もあるはずですし、
それ以外で「これを言えるようになってみたい」とか、
「困っているので、これを伝えたい」という場面を選んで、
ピンポイントで日々少しずつ試してみるくらいの方が良いでしょう。
また、実際に相手と向き合った際の
勇気や思い切りというようなことにこだわり過ぎず、
そういう言動を取るまでの準備段階、
どんなことを言ったり、ふるまったりしようかと
ゆっくりイメージするような段階を大切にすると良いと思います。
うまく対応できなかったなというシーンを後から
振り振り返って、どうすればよかったかイメージしなおしておくことも
とても意味があるでしょう。
少しずつの成功を何度か積み重ねることで、
思いのほか大きな変化につながっていることでしょう。
(心理士 清見)