他人と過去は変えられない

「他人と過去は変えられない。

しかし自分と未来は変えることが出来る」。

 

この言葉はカナダの精神科医、エリック・バーンという人のコトバです。

 

変えるのが難しいものや、

変わるはずのないものに拘泥して、

そこをどうにかしいとこだわるよりも、

変えやすいもの、変わる可能性のあるものに

目を向けた方が良いという意味合いのコトバです。

あるいは、

自分自身のことと未来のことならば、

自分しだいで変えることができるはずだと

というような意味合いの含まれたコトバでもあるでしょう。

 

カウンセリングでは、

自分と他人との関係や、

自分自身のあり方についての悩みが語られることが

とても多いものです。

 

事態の解決のために

相手に変わってほしいと望んでも、

現実的には難しかったり、

あるいは、相手を変えようとすることが

余計に摩擦を生むこともあるでしょう。

 

自分の過去の事実自体を書き換えることもできません。

 

このようなときに、どういう視点をもって

問題解決に取り組んでいくかを考えるための指針として、

このコトバは役に立つと思われます。

 

他人を責める気持ちも、

変わらない過去を悔やんでとらわれる気持ちも、

とても苦しいときには、

とても自然なものだとも思います。

(この気持ち自体を簡単に否定しても、

きれいごとになるでしょう)。

振り返り、怒りや不満を言語化することが

自分を取り戻すためにとても重要な場合もあります。

 

ですがどうしても事態が解決しないとき、

そういう難しさの中でどのようにしていけば良いのか、

このコトバを指針に

一緒に考えていけたらと思います。

 

(臨床心理士 清見)

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