SNSとの良い距離感-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。秋が深まり、週末ともなると色々なイベントが各地で開催されるようになりましたね。
芸術の秋、食欲の秋、音楽の秋…。
イベントに参加したり、美味しいものを食べると写真を撮る機会も増えるのではないでしょうか。

ところで、SNSは利用されている方も多いでしょう。
Facebook、instagramなどに代表されるSNSは、友だちをはじめとする様々な人に向けて文章と写真で手軽に情報が発信をできる、便利なツールです。
素敵な風景や美味しい食べ物、可愛い動物などの写真を撮影して、たくさんの「いいね!」をもらうと、嬉しくなるものです。

 

■「いいね!」が “ごほうび” に?

「いいね!」をもらえると、なぜ嬉しい気分になるのでしょうか?
自分が撮った写真や体験に対して共感や「うらやましい」などのコメントに、自分自身を認めてもらえたような気持ち になるからでしょうか。
たくさんの「いいね!」=自分自身への評価、という気がするからかもしれません。

「いいね!」が “報酬” になる事があります。
ここでいう “報酬” とは、心理的なもののことです。
たとえば、自分の存在価値 他者からの評価自己承認欲求を満たす もの、人から「うらやましい」と言ってもらえる 優越感 …。


「いいね!」をもらえる快感 に夢中になってしまうと、ちょっと危険。
投稿後に「いくつ『いいね!』が付いたかな」と気になって、ついスマホでチェックしてしまうという人は、スマホ依存症に注意 した方がいいかもしれません。

でも、少し立ち止まって考えてみましょう。

SNS上のあなたは、本当のあなたでしょうか?
現実の日常の中でも、本音で語り合える友人を作るのはなかなか難しいものです。
人間関係は、濃い人間関係(親友)→薄い人間関係(顔見知り程度)に変化していく、グラデーションのようなものです。


現実世界で、薄い関係の人まで含めて現実に繋がりを保てるのは150人程度という説があります。
SNSでいくら多くの人と繋がっていても、それは生身の人間との関係とは違う種類の関係です。

SNSとは 適度な距離感 をもって、上手に利用したいですね。
見知らぬ誰かからの「いいね!」ではなく、身近にいる友人や家族との関係を大切にしませんか。

(臨床心理士 調)

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