こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
10月も半ばを過ぎて、朝晩は肌寒く感じる日が増えてきました。
街中の木々が美しく色付き始め、季節の変化をしみじみと感じます。
さて、今回のテーマは「“ゆらぎ”の時間」です。
先日、あるお母さんが小学生の息子さんについて、ぽそっと呟かれました。
その内容は、
「車の助手席に乗せている息子の視線がいつも何かを追いかけているように見えるので『いつも何かを見ているね…』と聞いてみたら、『だって見るものがないと退屈』と答えた」
というものでした。
お母さんは、
「能力として見る力が秀でているのかもしれないけれど、何かもっとぼんやりする時間があっても良いのになぁ…と思った」
との事でした。
私も“確かに見る力が高いのかもしれない”と思いつつ、
“もしかしたらゆらぎの時間が少ないのかもしれない”と感じました。
■生活に取り入れたい“ゆらぎの時間”
“ゆらぎの時間”とは、
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- 現在と過去を行ったり来たりしながら、ふと我に返る…
- 眠ってはいないけれども、現実のことを考えているのでもない、イメージの世界にいるとき…
- 例えば、一曲の音楽にふれて遠い思い出がありありと思い起こされる
- ふとかいだ匂いである人を思い出したり、場所の映像が脳裏に浮かぶ
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現実の世界にいる自分と、空想の中にいる自分の心についてあれこれ巡らすような時間が、“ゆらぎの時間”と言えるのかもしれません。
“ゆらぎの時間”については、雑誌「Tarzan特別編集 決定版 自律神経を整える。」でも分かりやすく解説されていました。
同誌の中で、「生活にゆらぎを取り入れる」「ゆらぎの時間を大切に」といった表現がありました。
「リラックス」「ゆっくり」「スイッチoff」「今をしみじみと」「のんびり」など色々な言葉がありますが、「ゆらぎの時間を大切に」という表現は伝わりやすいと思いました。
何かを考えている時は、交感神経がオンになりやすい状態です。
現代人は常に何かを考え、ともすればやりすぎる傾向にあるかもしれません。
生活に“ゆらぎの時間”を取り入れることは、自律神経系の疲労回復にも役立ちます。
もしも日常の中に“ゆらぎの時間”が少ないかも…と気付いた人は、意識して作ってみましょうか。
(臨床心理士 調)