こんにちは、福岡臨床心理オフィスです。
あっという間に10月も終わりつつあります。年末に向けて、だんだんと周囲が慌ただしくなってきた人も多いのではないでしょうか。
気候の変化で体調を崩さないように、気を付けてくださいね。
さて本日のテーマは、自己肯定感についてです。
自己肯定感については関心が高い人も多いかと思いますので、今後数回に分けてお届けしたいと思っています。
■自己肯定感を育むためには
自己肯定感を育むというのは、息の長い作業だと思います。
自己肯定感が低く、“生きていくのがしんどいなぁ”という思いは、多くの人が体験しているかもしれません。
たとえ他人から見て地位やお金、名誉を持っていても、当の本人は案外「まだまだダメな自分だな」という思いを抱えていたりします。
実は、その人が持っている“目に見えるもの”よりも、その人が自分自身を知り、受け入れ、生き方を選び、そこに紛れもなく自分自身が存在している感覚が必要なのでしょう。
生き方を選ぶということは、一方では何かを失うということではありますが、自分自身で選んだという実感が大切です。
生き方を選ぶためには、価値観が必要です。
価値観を養うためにも、特に10代~20代でほど良き親・良き師・良き友に恵まれると、そういった人たちの生き方や価値観をモデルとして自分の中に取り入れ易いと思います。
良い対象から自分に対して評価をもらうことがあると、誇らしい気持ちになって「自分は良いんだ」という心の貯金ができることでしょう。
良い対象から自分に対して叱責されると悲しい気持ちになりますが、叱責された内容と向き合い改善することができれば「自分はダメな部分もあるが、悪くはない」という心の貯金もできることでしょう。
とは言え、なかなかそういった機会に恵まれないことも事実です。
■質の良いものにふれた実感を得ましょう
でも、1つ手っ取り早い方法があるように思います。
それは、世の中に既に存在する“一流のもの、人”に関わるということです。
一流と言っても、値が張るものでなくても大丈夫です。
例えば、焙煎技術世界一の腕前を誇るバリスタが淹れるコーヒー。
こちらは、福岡で飲むことが出来ます。
また、日本の職人たちによる匠の技を間近で見られる「日本伝統工芸展」は、デパートで入場無料で開催されるので、足を運びやすいと思います。
ほかにも、
- 一流の宝飾店のショーウインドーで一番好きな宝石を見つける
- 美術館で有名な絵画とじっと向き合う
- 旬の美味しそうな果物を食べる
など、“質の良いものにふれた実感”が得られそうなことをしてみましょう。
もし“感動する何か”に出会えたら、OKです。
そして、一流と評価されるものでも自分自身は好きではないことがある経験も大事です。
“自分は良質のものを知っている”という実感が、自己肯定感を高めることにつながることでしょう。
(臨床心理士 調)