こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
2022年に入って、早くも10日以上が経過しました。当オフィスがある博多駅近辺は、まだ新年気分が抜けないような、どこか少しざわざわとした雰囲気に満ちています。
オフィスへの行き帰りで博多駅周辺を歩いていると、街の変化を実感することが少なくありません。
変わりゆく景色は少しずつ春へ向かっていくのでしょうか。
さて、毎回“こころの在り方”やHSP、ヤングケアラーなどについてお伝えしている当ブログですが、本年も皆様のこころに寄り添う内容や、気付きに繋がる内容をお届けしたいと思っています。
今回のテーマは「カウンセリングの上手な受け方」についてです。
■カウンセラーの役割とは?
心理カウンセリングについての記事を、ネットニュースで目にすることが増えました。カウンセリング内容やカウンセラーの質についてなど、その内容は実に多彩です。
カウンセラーの役割は、クライアントが自分で答えに辿り着けるように道案内(手助け)をすること。カウンセラーがシンプルな答えを提示することは少ないでしょう。
結論を出す、決断するのはクライアント本人なのです。もちろん、クライアントが考えるために役立ちそうな心理学の知識の紹介や心理教育的関わりをすることがありますが、クライアントが「自分自身で考えた」というプロセスが、とても大切なことだと思っています。
カウンセリングの中で、クライアントと臨床心理士の共同作業が上手く進み、クライアントが何かをつかんで行く…それこそが、理想的なカウンセリングです。
そのため、当オフィスでは
- 聴く技術・見立ての技術
- 秘密を守る意識とクライアントが自分に向き合う場を作ること
- 当オフィスを選び、勇気をもって来られている方への誠意・尊重する気持ちをもつ
ことを大切にしています。
また、見立てにより医療機関へ繋がることをおすすめしたり、就労支援施設など当人に必要と思われる場を紹介することもあります。
■カウンセリングで効果があるのは、どんな人?
私が思う「カウンセリングで効果がある人」は
- 心の中に色々な想いや気持ちがあって、交通整理をした方が良いと思っている人
- 「ことばとして音声で表現する」ことの価値を感じる人
- 人に話を聞いてもらうことで、自分の本当の気持ちを探りたいと思う人
- ことばの力や影響力に気付いている人
です。
自分なりに考えていても答えが出ないことに悩んでいる人が、「自分自身で結論を出せるように手助けする」のが私たちカウンセラーの役割だと思っています。
一方で、カウンセリングを上手に受けにくいとしたら、具体的な答えをクライアントが早期に求める場合かと思います。
その理由は、クライアントが壁にぶつかり、今までのやり方では上手くいかなくて悩むのですが、そこを考える意味があると思うからです。
「その作業に、私たち臨床心理士は粘り強く共に考えますよ」というのがスタンスです。
カウンセラーとクライアントの健全な関係性とは、クラアントがカウンセラーに依存することがあっても、それが成長の妨げではなく、自分の事をきちんと考えられるように適度な距離感をもって手助けできる存在である、というものでしょう。
それをしっかりと線引きできるのが、臨床心理士であると考えています。こころの専門家として学び、経験を積んでいるからこそ提供できるものであると思います。
「心理カウンセリングを受ける」という行動を起こし、実際に当オフィスへ来られた方と“良い出会い““良い化学反応”が生まれることを願っています。
(臨床心理士 調)