ユングの「タイプ論」が自分を知るのに役立つかもしれません-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
5月も半ばを過ぎ、初夏ならではの爽やかな風を感じる日が増えました。
とは言え、朝晩は思いがけない冷え込みに見舞われる日もありますので、体調管理には注意したいものです。

さて、臨床心理士の立場から“こころ”の動きや認知など幅広いテーマでお届けしている当ブログ。今回は心理学者のユングが提唱した「タイプ論」に基づいて、自分自身をより深く知るための性格分析についてお届けしたいと思います。

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ユングの「タイプ論」とは?

心理学にあまり詳しくない人でも、一度は「ユング」という名前を耳にしたことがあるかと思います。

カール・グスタフ・ユング
スイスの精神科医・心理学者。ユングが提唱した心理学は「ユング心理学」と呼ばれ、臨床心理学の世界に多大な影響を与えています。

ユング心理学の中でも特に有名なのが、人間の性格(気質)を心のエネルギーが向く方向によって「外向的」「内向的」に分け、さらに「外向的思考型」「外向的感情型」「内向的思考型」「内向的感情型」「外向的感覚型」「外向的直観型」「内向的感覚型」「内向的直観型」の8タイプに分類する「タイプ論」です。

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あなたはどのタイプですか?

「タイプ論」では、生きていくうえで、いずれかの基本的態度がより強くなりやすいと言われています。

1.外向的な人間
心のエネルギーが外側に向いている
世界の動きをよく見て、聞いて認識する
人の観察もする
世の中の流行に敏感で社交的
多くの刺激を好み、新しいものや成果を追うイメージ

2.内向的な人間
心のエネルギーが内側に向いている
出来事の意味するところや心の中で感じることに興味や関心があり、慎重で内省的
静けさを好む
心の中で追いかけていくイメージ

自分がどちらのタイプか、分かりますか?

ちなみに、最近のトピックスとしては「D4DR遺伝子(新奇性追求遺伝子)の長さが違うと言うことが報告されています。
内向型(短い)<外向型(長い)
とのことです(※)。

次は合理機能(物事を判断する場合)がどちらの型に近いかを考えていきます。

A.思考型
論理的思考の手順を踏む
前後に齟齬がないかに注意を払い、一貫性を重んじる

B.感情型
好むか嫌うか、快か不快かを嗅ぎ分ける
どのように感じるかに重きをおく

続いては非合理機能(どちらの情報に注意を払うか)を考えます。

C.感覚型
五感を使って今ある現実をそのままなぞる受け取り方
たとえば、絵で模写するように細かな所に気が付く

D.直観型
今いる場所や時を越えて、イマジネーションが働く
ひらめきで物事を捉える
全体像を把握しようとする

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自分のどの機能が強いか、お分かりでしょうか。それは、その人が意識的に使っている機能です。
私がユングのタイプ論について興味深く思うのは、優越機能はすぐに思いつくけれど、その対極は陰に追いやられているということです。大切なのは、自分自身であまり意識されていない機能に気付けると、それを意識して育てる方向に持っていく事が可能であり、成長につながるという考え方です。

(臨床心理士 調)

※出典:心も遺伝子に支配されている?発展が期待される動物の性格・行動遺伝学/化学と生物 Vol. 39, No. 10, 2001

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