職場不適応を考えてみる-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
10月に入り、街路樹やショーウインドウのディスプレイなど様々な場所で本格的な秋の訪れを実感することが増えました。
季節の移り変わりに気付ける心のゆとりを持っていたいものです。

さて、前回のブログで「ウェルビーフォーラム2023 九州・中国・四国 第4回就労フォーラム」で講話を行ったことをお知らせしました。
今回は、フォーラムでお話したことの一部を綴りたいと思います。

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職場不適応感とは?不適応状態の前段階

当オフィスには、「職場不適応感」をもつクライアントさんが多く訪れています。
それは職場のEAP(メンタルヘルス不調の従業員を支援するプログラム)を利用してカウンセリングサービスを受ける形であったり、自費負担で勇気をもってオフィスにくる形であったりと色々です。困っている内容もそれぞれ異なっています。

しかしながら「職場不適応感(例:この仕事へのやる気が失せている、上司と関係を取りにくい、リーダーシップの育み方がわからない…)」を本人が感じていて、これからのキャリア形成を含めて“考えた方が良いな”と思ったときにカウンセリングを受けることはお勧めです。

次に、職場不適応状態とはどのようなことなのでしょうか。
具体的には、下記のような状態や特徴が「職場不適応状態」であると言えるでしょう。

  • 仕事のプレッシャーや職場の人間関係などがストレス因子となって起こる不適応と不調の状態
  • ストレスから離れると、少しずつ調子が元に戻ることが特徴
  • 心身や行動面において、抑うつ気分や不安感、不眠、頭痛、食欲不振、暴飲暴食、出勤拒否といった様々な症状が表れることがある
  • 症状が長期間に及ぶ場合は、うつ病などを発症している可能性があり、注意が必要(メンタルヘルス問題へ移行する)

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では、不適応状態の仮説を見てみましょう。

不適応状態の仮説とは、不適応状態が作り上げられる原因の重なりを組み合わせとして考えると“このようなことが想定される”という意味です。

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ここでは、職場で不安になったり憂鬱になったりしていること、いわゆる主訴が“本人だけが困っていること”なのか、もしくは“職場側(上司など)が問題とするレベルで業務に支障が生じているか”を見極める視点が必要です。

不適応状態が作り上げられる事態は、①自分自身のこと、②職場の実態、➂家族や家庭での出来事といった要因の重たさ・苦しさの掛け算と言えそうです。


職場で上手くいかない要因はどこにある?

今、職場不適応に苦しんでいる人は、どの部分に上手くいかない要因があるのかをチェックしてみると良いでしょう。

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不適応感を改善する方法の一つとして、カウンセリングに通って自分と向き合うことで、問題が整理されたり対処する能力がついたりする可能性はあるでしょう。

だとすると「なんか上手くいっていない」という不適応感は、本人にとって変化するきっかけであり、困難を乗り越えて成長するプロセスになるかもしれません。

もちろん、不適応感のせいで次第に心身の調子が悪くなる場合もあります。そう単純にはいかないこともあるでしょう。
また、不適応感による心身の不調がどの程度のレベルであるのか分からず、不安になることもあると思います。
人によっては症状がどすんと襲ってくる場合もありますので、その時は医療機関を受診しましょう。

しかし、大切なのはそれらを見ないふりをするのではなく、1つ1つやれることを進めていくことです。
もちろん、自分の心身のお世話をすることも忘れずに。食べること、眠ること、動くこと、笑うこと…。どれも何気ないことですが、そのようなことが問題なく行えることが「自分自身のお世話ができている状態」と言えるでしょう。

(臨床心理士 調)

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