「健康リテラシー」を上げていく考え方とは?-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
5月の大型連休、皆さんはどのように過ごしましたか?
福岡でゴールデンウイークの名物と言えば、やっぱり「博多どんたく港まつり」です。

「博多どんたく」と言えば、雨がつきものというイメージがあります。しかし、今年は2日間とも快晴のうちに幕を下ろしました。
コロナ禍を経て、大勢の人が集まって一緒にお祭りを楽しめることの有難さをしみじみと感じた連休でした。

さて、毎回“こころ”を軸に様々な話題をお届けしている当ブログ。
今回は「健康リテラシー」「メンタルヘルスリテラシー」についてお届けしたいと思います。

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予防医学と健康リテラシー

この近年、こころと身体を出来るだけ健康的に保つために、予防医学の必要性について各方面で言われることが増えています。

先日、テレビで医療保険を考える特集番組を見る機会がありました。
その番組に出演していた、家庭社会学が専門の袖井孝子氏が語っていた内容が印象に残っています。

その内容とは、
「日本の皆保険の医療制度は優秀で世界に誇ることが出来る。しかしその一方で、患者側が医療に“お任せ”の態度になりやすい。だからこそ、患者さん側の予防視点の考え方、患者学とも言える“健康(ヘルス)リテラシー”を上げていくことが大切である」
という主張でした。

さて、皆さんはこの「健康リテラシー」という言葉について、具体的にどういったことを指すのかご存じでしょうか。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。そこで、次の章では「健康リテラシー」について解説したいと思います。

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健康リテラシーとは?メンタルヘルスリテラシーとは?

健康リテラシーとは、簡単に言うと「自分に必要な健康情報を入手し、活用する能力」のことです。

たとえば、生活習慣病とは『食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣がその発症、進行に関与する疾患群』と定義されていて、その代表は糖尿病や高脂血症、肥満や高血圧などで、皆さんがご存じの事でしょう。その対策に勤しむ方も多くいらっしゃる事だと思います。

一方で、こころの健康に特化したのが「メンタルヘルスリテラシー」です。
カナダのStan Kutcher博士は、健康リテラシーの定義に沿ってメンタルヘルスリテラシーの概念について整理しています。

メンタルヘルスリテラシーに含まれる要素として挙げられるのが、以下の4つです。

1. 心の健康を維持するために何をすべきか理解していること
2. 精神疾患の症状とその対処方法を理解していること
3. 精神疾患に対して偏見を持たないこと
4. 精神的な問題で困った時に、いつ、どこで助けを求めるのかを理解していること。
その相談先で何を期待できるのか、何が得られるのかを理解していること

上記のメンタルヘルスリテラシーは、健康リテラシーに比べて知られていないのは残念ですし、もったいない事だと思います。

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カウンセリングはこころの健康を保つ方法の一つ

先ほどご紹介した袖井孝子氏のお話には「カウンセリング」という言葉も登場しました。
カウンセリングを受けることも、予防視点の考え方の一つであるということです。

しかし、ほとんどの大人はこういった教育を受ける機会がありません。
そのために、カウンセリングを受ける機会がないまま“生きづらさ”や“やりにくさ”を抱えながら生きる人が存在していることも、事実なのです。

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カウンセリングを受けるタイミングを判断する能力

ところで、当オフィスには、仕事に従事しながらカウンセリングに通っている社会人の方が多くいらっしゃいます。

そういった社会人の方が抱える悩みの内容は
・キャリアの迷い
・会社内の人間関係
・夫婦関係
・親子関係
など、仕事に関する事からプライベートに関する事まで、実に様々です。

それぞれの方が、毎日の業務に追われながらも「今が考える時期だ」と判断してカウンセリングを希望し、当オフィスへ通って来られているのだと思います。

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私が想像するに、この「今が考える時期だ」と判断することが、実は難しいのです。
そう判断できるか否かは「健康リテラシー」や「メンタルヘルスリテラシー」を持っているかどうかがポイントになるでしょう。

先ほどご紹介したメンタルヘルスリテラシーの要素の中で

1. 心の健康を維持するために何をすべきか理解していること
4. 精神的な問題で困った時に、いつ、どこで助けを求めるのかを理解していること。その相談先で何を期待できるのか、何が得られるのかを理解していること

を知っている人が「カウンセリングを受けるのは“今だ”」と判断できるのだと思います。
もしも今、何らかの“やりにくさ”を感じている人は、カウンセリングを活用してみませんか。

(臨床心理士 調)

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