こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
8月に入り、ますます暑さが厳しさを増してきました。
「酷暑」という表現がぴったりな日々、熱中症対策をしっかり行って無事に夏を乗り切りましょう。
さて、毎回“こころ”に関する話題を臨床心理士の立場からお届けしている当ブログ。
今回は、コロナ禍をきっかけに定着しつつあるリモートワークの働き方について、綴りたいと思います。
リモートワークのメリットは?
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、これまで当たり前とされていた様々な事に大きな変化がもたらされました。
その中の一つが、働き方でしょう。
コロナ禍以降、求人広告で目にする機会が増えたのが「リモートワークOK」の文字です。
そこには「通勤時間ゼロ」「満員の電車やバスに乗るストレスなし」「家族との時間が増える」「プライベートの時間を確保できる」など、リモートワークのメリットも併記されています。
先日、NHKで放送されている「サラメシ」という、働く人のランチを紹介する番組を見ていたところ、自宅でリモートワークをしている30代男性の昼食の様子が紹介されていました。
その男性はランチタイムになったらキッチンへ行き、昼ご飯を作ることが仕事中の息抜きになっているそうです。
出来上がった美味しそうな昼食を、夫婦で食べている場面が映し出されていました。
それを見て、私は「何て素敵な息抜き方法なのだろう」と感じました。
また、リモートワークでのパソコン作業やオンライン会議で酷使する目や耳、記憶するための脳とは違う部分が料理することで刺激され、良いリフレッシュになっているようにも思えました。
自宅やシェアオフィスなど、リモートワークをするのが緑の豊かな環境や海の近くなど心地良さを感じられる場所であれば、「リモートワーク万歳!」と思えるかもしれません。
リモートワークは幸せな働き方?
しかし、実際にリモートワークをしている人からは「辛い事が多い」という声をよく耳にします。
例えば、都市の街中のマンションに家族と一緒に住んでいて、自室にこもった状況でリモートワークをしている場合です。
自室とは言え、家族に気を遣ったり、逆に気を遣われたりするのはお互いにストレスがたまるでしょう。
さらに、
①仕事の量はしっかりある
②雑談の機会がなく、黙々と作業を進めなければいけない
➂動くのはトイレに行く時くらいで、1日の運動量がかなり低下している
といった点も、心身には悪影響を与えそうです。
こうした部分を見ると、リモートワーク=幸せな働き方であると一概には言えないかもしれません。
リモートワークで大切なこと
それでは、どのような工夫をすればリモートワークのメリットを享受できるのでしょうか?
それには、リモートワークで鈍りがちな五感を刺激することが大切なように思えます。
そして、
例えば、
・運動すること(身体が求めているはず)
・笑うこと(家族関係を良くする)
・美味しいご飯を食べる
・趣味を見つけて夢中になる
などでしょうか。
そうした行動を意識的に行えば、リモートワークが幸せな働き方だと思えるようになるかもしれません。
(臨床心理士 調)