人が人のネガティブな情報に注目するのはなぜ?-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
10月も終わりに近付き、街や自然はすっかり秋色に染まりました。日が暮れるのも早くなり、まさに「秋の日は釣瓶落とし」です。

さて、毎回“こころ”に関する話題をお届けしている当ブログ。
今回は、人はなぜ人のネガティブな情報に注目してしまうのかについて、綴りたいと思います。

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悪い情報が目に入りやすいのは生きるため?

人類の歴史は600万年前に始まったとされ、最後の1万年で、農耕と牧畜が始まったそうです。そうすると、600万年のうち99%以上が狩猟採集民時代であったということになります。
農耕牧畜の時代を経て、18世紀末には英国で産業革命が起こりました。そうして人類の生活は、農業中心から工業中心へと大きな変化を遂げます。

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そのような長い歴史の中で、人類は自分たちの命を守るために様々な方法を生み出してきたことが推測されます。
狩猟採集時代の人々にとって集団で動く事は必須であり、合図や言葉を用いて、安全か危険かの情報を交換してやり取りしていたのでしょう。

ふと考えてみれば、ニュースや新聞を目にして飛び込んでくるのは、心を沈ませる悪い情報ばかりです。
そうしたネガティブな情報が目に入りやすい理由は何でしょうか?

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ネガティブな情報によって促進されるもの

悪い情報、ネガティブな意見や攻撃的な言葉などを見聞きして得られる利点として挙げられるのが、コミュニケーションの促進です。
新聞やニュースで取り上げられる悪い情報は、視聴者やユーザーにとって共通する話題となります。

その情報について話す中で、倫理観を確認したり、感想を述べあって自分の価値観に誤りがないことを知って安心したりすることがあります。

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話題となる“悪い情報”は、社会的な話題だけではありません。
職場の人間関係や近所の人たち、友人グループなど小さなコミュニティーの中で話題に上るネガティブな情報(悪口や噂話など)も同様でしょう。

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ネガティブな情報に惑わされないために

しかしながら、狩猟採集民であった太古の歴史に思いを馳せれば、ネガティブな情報を知っておくことと身の安全を守ることは直結していたのだと想像できます。

それらを重要視しないことは命取りの危険な事であったため、私たちの脳に「ネガティブな情報を入れ込め」とルーチン化している可能性があります。

もしも私たちの脳にそれらの影響があるとすれば、「情報を出す側」からすれば、商いとして食いついてもらえるチャンスとなります。

その時代と比較して、2024年における人のネガティブな情報の注意点としては、
・その情報は自分にとって有用であるのか
・単に商いのための情報か
・自分が不安に駆られているために情報を追っているのか

を意識する必要がありそうです。

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どうやら、長い期間を狩猟採集民として過ごしたため、発生的に古い脳の部分は安全か危険か、あるいは快か不快かを確かめたくなる習性を持っているようです。

また、私たちの元にはAIによって、それまでの閲覧履歴や検索履歴から“その人が求めているだろうとAIが予測した広告や情報”が、様々なサイトを通して日常的に入ってきています。
ネガティブな面にばかり注目していると、AIによって余計にネガティブな情報が入ってくることになりかねません。

ネガティブな情報やAIに操られないよう、苦笑しながら付き合いたいものです。

(臨床心理士 調)

 

 

 

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