こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
大寒波に見舞われる日が続いた2月も、もう終わろうとしています。
年度末に向けて忙しい毎日を送っている方も多いのではないでしょうか?
余裕がない時は、自分の心身の状態に目が向きにくいものです。
多忙な中でも、自分への“お世話”を意識して過ごしましょう。
さて、毎回“こころ”についての話題をお届けしている当ブログ。
今回のテーマは「ネットサーフィンをやめられない理由」です。
ネットサーフィンをやめられない原因は?
皆さんは一日にどれくらいの時間、インターネットをしていますか?
通勤途中や昼休み、帰宅する電車やバスの中など、少しでも時間が空くとついスマホを触ってしまうという人も少なくないでしょう。
あるいは、寝る前に「少しだけ…」とネットニュースやSNSをチェックし始めて、気付けば就寝時刻を大幅に過ぎていたという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
私自身も、仕事がひと息ついた時についスマホを触ってしまい、ニュースやトピックスをあれこれと読み続けてしまう時があります。
“あれ?やるべき事はまだ残っているのに、どのような理由でスマホの画面を追っかけているのだろう?”と、不思議に思う事も少なくありません。
そして、クライアントさんからも同じような感想を聞きます。
自分が追いかけて見ていたとは言え、終わってみると良い時間ではなかったと後悔する…と。
そこで私は、“この感じはトリッキーで、脳がバランス良く動いていないな”と思い、調べてみました。
スマホやパソコンでネットサーフィンを始めると、なかなかやめられない理由として、以下の点が挙げられます。
「ひと息つきたい、ストレスを解消したい欲求がある」という大脳辺縁系が司る本能的な気持ちに対して、ネットサーフィンは「仕事とは無関係の行為であり、強制されたビジネス的な世界から一時的に切り離された時間と空間を与えてくれる」ものです。
画面をスライドする能動性も、遊んでいるような快感が伴います。
しかしながら、「疲れたから休みたい」という当初の目的からはだんだん逸れていき、脳も眼も疲れていきます。
理性を司る前頭前野は、脳の中でも疲れやすい部位です。
そのため、この前頭前野がより疲れてしまってコントロールが効きにくくなることで、遊んでいる錯覚でだらだらと過ごしてしまうようです。
ネットサーフィンをやめるためのポイント
「ひと息つきたい、ストレスを解消したい欲求」に対して有効なのは「休むこと」です。
もちろん、休日などで時間を取ることが可能であれば、「楽しめて嬉しいことをする」のがお勧めです。
芸術を楽しむ、スポーツを楽しむ、おしゃべりを楽しむ。
それ以外では、家事をする、庭の手入れをする、田畑で作業するなど、普段使っている脳とは違う部分を刺激する行動がお勧めです。
そして「こちらの時間の過ごし方の方が効果的」と成功体験を意識すると良いでしょう。
隙間時間を活用して脳も眼も休ませる場合には、スマホから手を離す、パソコン画面を閉じるなどして、物理的にインターネットの世界から離れるのがポイントです。
ストレッチや、お茶を入れてゆっくりと味わうのも良いでしょう。
夜であれば、寝床にスマホを持ち込まないようにして、リラックスしたひとときを過ごしましょう。
色々な人にとってネットを長時間見続けてしまうことが困りごとになりやすい今だからこそ、その意味を少し考えてみませんか?
(臨床心理士 調)