こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
蝉の声が本格的な夏の到来を告げています。
暑い日々が続き、夏バテ気味の方も多いのではないでしょうか。
クーラーや冷感グッズを上手に活用して、万全の熱中症対策を心がけたいものです。
さて、毎回“こころ”に関する話題をお届けしている当ブログ。
今回は、精神分析の流れを持つ心理療法である「交流分析」について、臨床心理士として感じた面白さや魅力を綴ってみたいと思います。

学会で再確認した「交流分析」の魅力
先日、福岡・九州大学病院内で開催された「日本交流分析学会 第50回大会」に参加してきました。
私にとっては久しぶりの交流分析学会参加。交流分析学会そのものも、福岡での開催はなんと21年ぶりだったそうです。
私自身も、交流分析について認識を再確認する貴重な機会となりました。
交流分析とは? 〜「こころ」の地図を描くツール〜
交流分析(Transactional Analysis, TA)は、アメリカの精神科医エリック・バーンによって提唱された臨床心理学の理論です。
その中で登場する「エゴグラム」とは、私たちの中にある5つの自我状態(性格の傾向)を視覚化し、自分の心のクセや対人関係の特徴を理解するための方法で、心理検査として使われます。
エゴグラムの利点は、自己理解・他者理解・コミュニケーション改善において非常に実用的で、心理療法・教育・職場など幅広い場面で活用されます。
エゴグラムでは、以下の5つの要素に注目します。
| P(Parent) | |
|---|---|
| CP(Critical Parent) | 批判的な親の心(ルールに厳しい・正義感が強い) |
| NP(Nurturing Parent) | 養育的な親の心(思いやり・保護的) |
| C(Child) | |
| FC(Free Child) | 自由な子どもの心(好奇心旺盛・感情表現豊か) |
| AC(Adapted Child) | 順応した子どもの心(周囲への配慮・遠慮がち) |
| A(Adult) | |
| 大人の心(論理的・現実的) | |
簡単に解説すると、
▶「P」は親から受け継いだ価値観や常識的な振る舞い
▶「C」は子ども時代に感じ取り、身につけた“自分が幸せになる(生き残る)ため”の行動
▶「A」は自分で考え、論理的に判断して行動すること
です。

心理検査エゴグラムの結果から見えてくるもの
「P」「C」「A」のバランスは人それぞれ。例えば、FCが高ければ創造的で感情表現豊かですが、CPが高すぎると自己批判が強くなる傾向があります。
「あなたの中に、親や子ども、そして大人がいる」
という考え方は、初めて聞くと少し不思議に感じるかもしれませんが、メンタルヘルスの研修や書籍、雑誌などで紹介されていることもあり、「聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
また、このエゴグラムは自分だけでなく他者との関係性を理解するツールとしても活用できます。
たとえば、親やパートナーなど身近な相手とそれぞれのエゴグラムを作成し、そのグラフの形状を見比べてみると、お互いの心の動きの違いや類似点が浮かび上がります。

こうした違いに気づくことで、「なぜあの人と分かり合えないのか」「どうしてあの言葉に傷ついたのか」といった疑問の背景に、少しずつ光が当たることもあります。
自分のこころを知ることは、他者のこころを理解する第一歩なのです。

交流分析の良い点を再確認して
交流分析の良いところは、理解しにくい臨床心理学を分かりやすく理解しやすい言葉で説明している点です。
興味を持った方は、本を一冊読むこともいいかもしれません。
久しぶりに学会へ参加して、私の中で交流分析についてブラッシュアップすることができました。
そして「交流分析=人に伝えやすい理論」であると再確認できたのが、今回の収穫です。
(臨床心理士 調)


