こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
9月も中旬を過ぎ、秋らしいひんやりとした風を感じる日が増えました。
過ごしやすい気候になった今、猛暑で疲れた身体をしっかり労わりたいものです。
さて、毎回“こころ”に関する話題をお届けしている当ブログ。
今回は、「子どもの反抗期」について、その必要性や親の向き合い方を綴りたいと思います。

「素直だったあの子」が変わるとき
「何を言っても反発する」「何を考えているか分からない」。
子どもが反抗期に入ると、多くの親がこんな戸惑いを感じます。
親の声かけに「うるさい」「別に」と返されたり、部屋にこもって話そうとしなかったり…。
それまでの関係が崩れたように感じて、不安や悲しさが募ることもあるでしょう。

反抗期は自立の準備をしている証し
反抗期は、一般的に心と体が急成長する、いわゆる思春期に現れます。
思春期は、“子どもの自分”を“大人の自分”へと作り替える時期です。
それまで、親から教えられた価値観や考え方を基準にして生きてきた子どもは、徐々に行動範囲が広がり、より多くの大人や友人、様々なメディアからの情報に触れる機会が増えていきます。
その過程で、親とは異なる価値観や考え方に触れ、「親の言ってきたことは本当にそうなのか?」「こんな考え方もあるのか!」と自分の中を整理し、少しずつ親とは異なる「自分」の意見や価値観を形づくっていきます。
この過程を繰り返し、「自分とは何者か」を見つけることがアイデンティティの確立、自立につながります。
親への反抗は、「自分は自分で親とは違うんだ」ということを確かめるためのひとつの表現、成長の証しといえます。

子ども自身も揺れている
しかし、親の立場からすると「どうしてこんな態度を?」と理解しづらいことも多いでしょう。
その背景には、体の成長に伴うホルモンバランスの変化による不安定さも影響しています。
また、勉強や友人関係の悩み、将来への漠然とした心配…。
自分でもよくわからない不安や焦り気持ちを抱えていて、それらをすぐに言葉にするのは難しいのです。
親に対して、いつもは素っ気なく冷たい態度をとっていても、ふと「甘えたい」気持ちが顔を出し、以前のようにスキンシップを求めてきたり、やたらとおしゃべりになったり…。
「甘え」と「自立」の間を行ったり来たりして、子どもは揺れながら大人になっていきます。

大切なのは“見守る”姿勢
この時期に大切なのは、コントロールしようとしないこと。
頭ごなしに叱ったり、長時間説教をしたりすると、子どもはさらに心を閉ざします。
大切なのは、わが子を信じ、「困ったらいつでも話してね」とドンと構えて見守ることです。
そして、助けを求められたら惜しみなく手を貸しましょう。
それ以外は、日常のちょっとした会話や共通の時間を大切にして「いつも見守っている」ことを示しましょう。
この“つかず離れず”の距離が、子どもの安心感につながります。

反抗期は親子ともに試練の期間ではありますが、子どもが大人へと成長していくのに必要な過程です。
親にとっても、子どもの自立後の自分の人生を計画するための貴重な時間となります。
子どもに注力しすぎず、自分の時間を楽しむことも大切にしましょう。
(臨床心理士 山﨑)


