あなたは“自分という動物”を飼っている?|福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
年が明け、寒風が身に染みる季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
さて、毎回“こころ”に関するテーマを中心にお届けしている当ブログ。
今回は、「あなたは“自分という動物”を飼っている?」と題し、自分自身の心の声との向き合い方についてお届けします。

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■「自分をお世話する」という視点

私はこれまで、このブログを通じて「自分のことを知り、お世話することの大切さ」を繰り返しお伝えしてきました。

しかし、身体が丈夫でバイタリティのある方ほど、つい自分のケアを後回しにしてしまいがちで、この感覚を伝えることの難しさも感じていました。

先日、ある相談の中で「あなたは自分という動物を飼っている飼い主のようなものですよ」とお話ししたところ、非常に腑に落ちたという反応をいただきました。

そこで、今回はブログの中で「あなたは自分という動物を飼っている飼い主のようなもの」という言葉の意味について、綴りたいと思います。

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■「飼い主」として提供すべき環境とは

私たちは、自分自身を「意思で動く機械」のように思いがちですが、実際にはケアを必要とする「生き物」としての側面を持っています。

もし、あなたが大切な動物を預かっている飼い主だとしたら、どのような環境を整えてあげるでしょうか。

おそらく、日々の適切な栄養や質の良い睡眠、そしてストレスを解消するための「遊び」や仲間との心地よい「触れ合い」を真っ先に確保してあげたいと思うはずです。

また、その子が持っている個性を活かし、社会の中で役割を果たせているときには、「えらいぞ」と心から褒めてあげたくなるでしょう。

臨床心理学の場でも、この「自分を慈しむ(セルフコンパッション)」という視点は欠かせません。

自分の心身に対して、まずは生命としての土台を整えてあげる事が、心の安定への第一歩となります。

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■短期決戦の陰に隠れる「空虚さ」への警戒

大人の社会では、長期戦を走るマラソンランナーのような持続力が求められます。

しかし一方で、仕事や生活の中で「寝食を忘れて努力し、成果を出さねばならない」という短期決戦のような局面も訪れます。

こうした時期、私たちは自分を極限まで追い込んでしまいがちですが、もしこれを「飼い主」の視点から俯瞰してみたらどう見えるでしょうか。

休む間もなく酷使されるその姿は、あまり幸せそうには映らないかもしれません。

その無理が重なったとき、ふと心に「何のために頑張っているのか」という空虚さが生まれることがあります。

この空虚感は、自分の内なる「動物」が発している、SOSのサインかもしれないのです。

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■心にある「秘密ボックス」の存在

自分の「心のつぶやき」に耳を傾けた時、聞こえてきたのがネガティブな言葉であったときは、つい「見たくない」と目を逸らしてしまうかもしれません。
しかし、実はそこにこそ、自分の弱さや本音が隠されています。

不都合な感情から目を逸らして“なかったことにする”のは、自分自身に対しても誠実ではありません。
見ないふりを繰り返すたびに、心の中には「秘密ボックス」が増えていきます。

この「秘密ボックス」が多くなるほど、表向きの自分と本当の心は離れていき、原因のわからない苦しさや空虚感に繋がっていくでしょう。

「見たくない」と思った時に、立ち止まって「なぜ見たくないか」を探ることが大切ですが、少し辛い気持ちになるかもしれません。

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■誠実な眼差しで「心のつぶやき」を聴く

自分という動物を健やかに育てていくために最も大切なこと、それは「自分のことを知る誠実な努力」です。

私たちの心は日々、さまざまなつぶやきを発しています。
それがネガティブな不満であっても、ポジティブな意欲であっても、ジャッジせずに公平に耳を傾けてみてください。

仮に“自分という動物”を飼っているとしたら、「どんな風にお世話して、どのような生き方をさせてあげたいか」。

怠惰なところは上手くしつけつつも、空虚にならないように温かい眼差しで育てていきたいですね。

(臨床心理士 調)

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