工場で見た「指差し確認」から考えたこと | 福岡臨床心理オフィス・臨床心理士によるブログ

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
3月も終わりに近づき、春らしい暖かな日差しに包まれる日が増えてきました。
オフィスへ向かう途中でも、色とりどりの花が咲き誇っている様子を目にして、思わず顔がほころびます。

さて今回は、クライエントさんに来ていただく通常のカウンセリングとは少し違う経験について書いてみたいと思います。

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工場へ出向いて行うカウンセリング

当オフィスでは、博多駅近くのカウンセリングルームで対面にてお話を伺う方法が基本ですが、それ以外に、出張という形で企業を訪問し、会社内の空間で社員さんと面談を行う場合もあります。

その場合、社員さんにとっては日常の職場であっても、私たち臨床心理士のスタッフにとっては、普段あまり入ることのできない“非日常の空間”に足を踏み入れることができるチャンスです。
企業の現場の空気に触れることができる貴重な機会でもあります。

お付き合いすることになった工場は敷地面積がかなり広く、打ち合わせをする管理棟から、工場内に特設された面談室まで車で送迎していただくほどの広さでした。

まず、工場内に出入りする時のチェックの厳しさは想定内でしたが、少し緊張します。
身分証明書を提示したり、本日の用件や担当者の名前を記載したりといった確認を受けて、初めてゲートを通過できます。


印象に残った「指差し確認」

その中で、私が目を見張ったのは、工場敷地内の道路を渡るときの「指差し確認」です。

社員さんや心理士の先輩が「右ヨシ、左ヨシ」と小さな声を出しながら、指差しをして確認しながら渡っていきます。

私も真似をしながら、しっかり確認して通りました。
そうです。これが工場内の文化なのだと感じました。

作業工程や作業場の中でも、おそらく同じように「指差し確認」が行われているのでしょう。

ただ目で見るだけではなく、目で見て、口に出し、耳で聞き、指を使って確認する…。
これは、人の認知機能を考えれば、とても理にかなった方法です。

こうして複数の感覚を使うことで、安全性を高めているのだと思いました。
結果として、労働災害や製品不良などのエラーを防ぐことにつながるのでしょう。

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日常の中にもある「確認」

工場でこの経験をしてから、JRや電車の出発の場面で、駅員さんが「指差し確認」をしている姿を見ると、以前よりも共感する自分がいました。

そんなとき、昔あるクライエントさんから聞いた話を思い出しました。

小学生の頃、電車に乗るときに指差し確認をしている車掌さんに対して、「目で見ればすぐ分かるのに、意味のないことをしているな」と思ったそうです。

その方は当時、勉強が中心の生活だったようで、「かわい気のない子どもだったな…」と、本人も振り返っておられました。

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「分からないこと」を残しておく

私たちはときどき、他人がやっていることの理由や意味をよく知らないまま、「変だ」「意味がない」と決めつけてしまうことがあります。

そして、その判断の中には、どこか相手を見下すような気持ちが含まれてしまうこともあるのかもしれません。

けれど、そのような考え方も含めて、子どもの頃や若い頃にはよく分からなかったことを、すぐに切り捨ててしまわず、「いつか分かる日が来るかもしれない」と思いながら心のどこかに残しておくことは、案外大切なことなのかもしれません。


一方的にジャッジする人に出会った時は

一方で、自分が何かに一生懸命取り組んでいるときに、理由も背景も知らないまま、一方的にジャッジしてくる人に出会うこともあります。

そんなときは、無理に理解してもらおうとせず、あまり耳を傾けないというのも一つの方法だと思います。

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何かに夢中になった経験がある人であれば、他の人が取り組んでいることに対して、簡単に「意味がない」とは言えないものです。

ですから、そういう言葉を投げてくる人とは、残念ながら分かり合えないこともあるのかもしれません。

その場合は、必要以上に気にせず、少し距離を置いておく。
それくらいでも、ちょうどよいのではないでしょうか。

工場での「指差し確認」を見ながら、そんなことを考えました。

(臨床心理士 調)

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