こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
4月も終わりに近づき、心地よい陽気の日が増えてきました。
街を歩いていると、ふとした瞬間に春から初夏へと移り変わる気配を感じることがあります。
さて、毎回“こころ”に関するテーマを軸にお届けしている、当ブログ。
今回は、時間との付き合い方について、日々の感覚と臨床の現場の両面から感じていることを書いてみたいと思います。

主観的な時間と時計の時間のずれ
私が時間との付き合い方で面白いと感じるのは、「感覚」との関係です。
自分の中で流れている主観的な時間と、時計が刻む時間には、しばしばずれが生じます。
例えば、お風呂でゆっくりしていたとき。
体感では30分くらいのつもりでも、実際には45分経っていることがあります。
そのような時は、「あれ?」と不思議な気持ちになりつつも、「仕方ないな、ぼんやりしていたんだな」と、その感覚を受け入れるようにしています。

カウンセリングにおける「50分」という枠
一方で、心理療法(カウンセリング)の現場では、50分間という時間で区切ることが一般的です。
この「50分間」という枠は、長らく心理カウンセリングの仕事に関わっていると、自然と身体に染みついてくる感覚があります。
興味深いのは、このような明確な区切りがあるからこそ、その時間の中で自由さが生まれるという点です。
50分間にわたって自分のことを語るのは、案外長く感じるのではないでしょうか。
しかし、限られた時間の中だからこそ「安心して語れる」「集中できる」という側面もあるように感じています。

時間の使い方の二つのあり方
時間の使い方には、さまざまなスタイルがあります。
時間を効率よく、いわばコストパフォーマンスよく使おうとする方がいます。
起承転結を読んで行動し、しっかりと段取りを組んで物事を効率よく進めるタイプです。仕事向きとも言えるでしょう。
反対に、その日・その瞬間に没頭できることを大切にするタイプの方もいるでしょう。
充実や楽しいと思える時間は、止めようがないし、
たとえば、子どもの頃、夢中で遊んでいるうちに日が暮れていた――。
そんな時間の過ごし方を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

限られた時間の中で求められるバランス
ただ、大人になるにつれて、時間が有限であることをより強く意識するようになります。
時計が冷酷に刻む時間の存在を、意識せずにはいられない場面も増えていきます。
その中で、効率を重視すること、あるいは気にせずに没頭すること。
どちらか一方に偏るのではなく、両方を大切にしていくバランス感覚が求められるのかもしれません。
目に見えない「時間」との付き合い方は、人それぞれ異なります。
そしてそのあり方には、どこか言葉にしきれない、その人なりの感覚やリズムといった秘密めいたところがありそうです。

振り返りから見えてくること
振り返ると、この数ヶ月は締め切りに追われることも多く、時間に区切られる日々でもありました。
区切りがあるからこそやり遂げられたこともあり、その意味では大切な要素だったと感じています。
一方で、もう少し時間との関係を緩やかにし、自分なりのペースを大切にすることも必要なのではないか――そんなことを改めて考える機会にもなりました。
日々の中で、ご自身にとって心地よい「時間の使い方」を見つけていくこと。
それもまた、小さな気付きの一つになるのかもしれません。
(臨床心理士 調)


