こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
9月に入っても、日中はまだ暑い日々が続いています。引き続き、熱中症や水分不足には気を付けたいものです。
さて、毎回“こころ”に関する話題をお届けしている当ブログ。
今回は、前回お伝えした『「不適応」で仕事を休んだ時の改善への道のり』の後編です。

休養期から回復期への第一歩
さて、十分に休息をとることが出来ましたか?
おそらく心療内科(あるいは精神科)の主治医からは、ゆっくり過ごしたり、しっかり眠ることを勧められ、薬が処方されている方も多いと思います。
「ああ、職場のことをかなり思い出さなくなったな」という状態にたどり着くまでには、1〜3カ月程度かかるのではないでしょうか。
この期間は、職場からの連絡が過剰に来ないように配慮されることが望ましい時期です。
ただし大切なのは、休職している側に「自分は忘れ去られているのでは」と不安を抱かせないこと。
そのために、職場側は連絡の担当者・方法・頻度をあらかじめ決めておく工夫が欠かせません。
決まった方法でコンタクトをとることは、「自分は尊重されている」という安心感を生みます。

心理療法が力を発揮するタイミング
休養期を経て、心身が少しずつ落ち着きを取り戻した段階になると、カウンセリング(心理療法)が効果的に働く時期がやって来ます。
復職は“ジャンプ”ではなく“階段”を登るようなもの。
一段上って息切れしたら、また休んでいいのです。大事なのは、少しずつでも前に進むことです。
復帰に向けて心がけたいポイントは次の4つです。
・生活リズムにメリハリをつける
・好きなことをして楽しみ、笑う
・小さな活動的な習慣を積み重ねる
・食事に配慮する(糖分・脂質を摂りすぎず、良質なたんぱく質を中心に)
これらを実践することで、身体の回復と同時に“心のエネルギー”も少しずつ取り戻すことができます。

不適応の背景を語る意味
回復が進んだら、今回の不適応状態に至った“そもそものエピソード”について、少しずつ振り返っていきましょう。
・どのような状況で
・どのようなプロセスを経て
・何を辛く感じたのか
・どんな不条理を体験したのか
・どのような痛みを抱えたのか
これらをカウンセリングの中で、話せる事からお話しいただきます。
こうして臨床心理士との対話を通して繰り返し言葉にすることで、気持ちの整理が進み、心の折り合いがだんだんとつき、クライアントさんの「物語」が生まれます。
そのプロセスを辿るうちに、脳・身体・こころの順で整い、自分らしい歩みを取り戻していきます。

復職に向けての最終段階
ここまでの過程を経て、復職が近付いて来ました。
・職場との調整
・主治医の「復帰OK」サイン
・産業医の許可
これらがハーモニーを奏でるようにうまく整ったとき、復職のタイミングが訪れます。

私たち臨床心理士は、先が見えないトンネルを歩むクライアントさんに、足元を照らす温かな光をそっと灯す存在でありたいと願っています。
その伴走が、人や世界への信頼を取り戻すことにつながれば…と思います。
(臨床心理士 調)


