不登校という「さなぎの時期」を支えるために:取材を受けて感じたこと-福岡臨床心理オフィス・臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
4月に入り、やわらかな春の陽ざしが心地よく感じられる季節となりました。新しい環境や出会いに心が動く時期でもあります。

さて、毎回“こころ”に関する話題をお届けしている当ブログ。
今回は、取材を受けた体験を通して感じたことをもとに、不登校という「さなぎの時期」について綴りたいと思います。

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はじめての取材で気づかされた「聴いてもらう」力

先日、初めて取材を受ける機会がありました 。

記者の方からの質問に応えていく中で、自分のなかに合った「反抗期」や「不登校」に関する考えが整理され、相談に来られる方に一番伝えたいことが明確になっていく実感がありました 。

相手が言いたいことを読み取ってくれることで、自分の中に安心感や肯定感が生まれる 。
このプロセスは、カウンセリングの中で起こる心の動きとも共通しています 。

人に話すことは、自分自身の頭や心を整理することでもあるのだと、私自身も改めて実感する貴重な体験となりました 。

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不登校の経過を知る:出口の見えない不安の中で

不登校のお子さんを持つ保護者の方からは、「真っ暗なトンネルの中にいるようだ」「いつまで続くのか不安で仕方ない」という切実な声をよく伺います 。

お子さんの心や行動は、時間の経過とともに変化していきます 。
そのプロセスを知っておくだけでも、見通しの立たない不安を和らげる一助になるかもしれません 。

不登校にはいくつかの段階がありますが、心理学者の河合隼雄氏は、その停滞しているように見える期間を「さなぎの時期」と表現しました 。

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「さなぎの時期」とは

外側からは全く動きがなく、止まっているように見えますが、その殻の中では、幼虫から成虫へと生まれ変わるための「劇的な構造変化」が起きています。

不登校も同様に、目に見える活動がなくても、心の中では新しい自分を作るための大切なエネルギーを蓄えている時期だと捉える考え方です。

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「見守る」という、もっとも難しいサポート

「さなぎの時期」は、人によっては年単位に及ぶこともあります 。
例えば、小学生で不登校になった子が、10代後半になってようやく社会とのつながりを求め始めるケースも少なくありません 。

この時期、保護者にできることは「見守ること」と「いつも通り生活すること」です 。しかし、これが何よりも難しいのです。
・わが子の苦しみを代わってあげたいと思う
・こうすれば解決するのに、と余計な手出しをしたくなる
・悩みや課題はあくまで「子どものもの」であり、親が代わることはできないもどかしさがある
「余計な口を出さない、手を出さない」という見守りは、親にとって本当に苦しい修行のようなものです 。

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「一人にならないこと」の大切さ

不安ともどかしさを抱えながらお子さんを支え続けるためには、保護者の方自身にもサポーターが必要です 。
夫婦で支え合う、学校の先生や友人、知人、祖父母に胸の内を話してみる 。どんな形でも構いません。大事なのは、保護者の方が一人きりにならないことです 。

「見守る」という大きな役割を担うあなたが、誰かに支えられ、少しでも心を整えられる場を持つこと。
それが、お子さんの「さなぎの時期」を支える、何よりの力になるはずです。

取材を受けた新聞記事は、下記のリンク先をご覧ください。

■西日本新聞・こどもタイムズ「こども×マナブ」(上)/2026年3月13日掲載
■西日本新聞・こどもタイムズ「こども×マナブ」(下)/2026年3月20日掲載

(臨床心理士 山﨑)

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