変わる部分と、変えなくていい部分

自分の生きづらさを発達障害の傾向があるためではないかと考える人が増えています。

自分の日常でのコミュニケーションや物事の処理力における難しさが、生得的な得意、不得意によるものでは?と考えるとよりしっくり来るような場合、発達障害やそのグレーゾーンの傾向を考えるように思います。

確かに、認知能力や活動性のペースには生得的な傾向があり、無理に変えようと決意したり、努力してもどうにもならないところがあるでしょう。そういう部分に関しては、自分に合ったやり方やペースでやっていけるような工夫を考えていった方が良いと思われます。

自分の特徴と仲良くなり、自分のまま生活していくための、程よい工夫といってよいかも知れません。やがてその人なりに情緒的に元気になったり、対人不安が解消していったりするためにも、とても大切な過程です。

ある人にとっての生きづらさを生むある特徴が、生得的な不得意さによってもたらされているのか、不安や自信のなさで本来の自分が活かされていないことによってもたらされているのか…。

これはなかなか一方的に境界線を決めることのできない問題のように思われます。生活実感に基づきながら、いろいろと自己観察したり、試行錯誤しながら、徐々に自分の得意・不得意に合った工夫を取り入れていったり、情緒的な自信を回復したりしながら、考えていくのが良いと思われます。

こうした過程をカウンセリングで話し合いながら、ともに考えていけたらと思います。

 

(臨床心理士 清見)

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