欲求の階段

こんにちは。紅葉が美しい季節になりましたね。
忙しい日々の中でも、身近な自然に目を向ける時間をもちたいですね。

さて、皆さんは「マズローの欲求5段階説」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、“人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、下層の欲求が満たされると上層の欲求を満たしたくなる” というものです。

一番下の層にある「生理的欲求」は、たとえば空腹や睡眠など。
生理的欲求が満たされると次は 安全や安心できる暮らし を求める(安全欲求)ようになり、さらに何らかの集団に属したり友人が欲しくなる「社会的欲求」を求めるようになります。
そして、他者から認められたり求められたくなる「承認欲求」が起こり、最後に自分の成長や活動で “自分らしさ” を表現したくなる「自己実現欲求」が起きます。

つまり、下層の欲求が充足して、ようやく 上の段階の欲求段階へ進む、ということです。

■“自分らしさ”と周囲への眼差し

「本当の自分を生きていない」
「自分の居場所を感じられない」
「人生に充実感を感じられない」

“自己実現” についての悩みは、とても深いものです。毎日、何か物足りなさを感じている方もいるかもしれません。
たとえば、
・“役割の仮面” をつけて生活していること
・子ども時代の親との関係が生き辛さをもたらしていること
・分かりあえると思って一緒に生活しているのにすれ違うこと
・大切な人と別離すること
・権力をもつ人の自己中心的な言動に抑えつけられること…

なんだか、“生きていくって大変だな” と私も思います。
それらの 生きにくさを考える場所がここにあり、私たち心理士はそれをサポートしている のだと思います。
…しかし、ふと「マズローの5段階説」のピラミッドを見ると

自己実現欲求が起きる=それ以外の生理的欲求や安全欲求などは満たされている とも言えないでしょうか。


周囲を見回してみれば、たとえばちゃんと食事を摂ることができない子どもや、災害などで安全な生活がおびやかされている方など、生理的欲求や安全欲求が満たされていない方もいます。

そうやって 周囲に目を向けて俯瞰する ことができれば、自分が置かれている生活に対して 感謝の気持ちや、謙虚な気持ち が湧いてくるかもしれません。
安全な場所で毎日食事ができることが幸せだと、ふと感じる日もあります。

“今、目の前にある現実” を静かに見つめれば、自分の気持ちとも上手に対話ができそうです。

(臨床心理士 調)

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