こんにちは、福岡臨床心理オフィスです。
寒い日が続いたかと思えば、暖かい日が続いたりと、少しづつ春の訪れを感じられることが増えてきましたね。
今回は、“涙を流すこと” についてお話ししたいと思います。
前回のブログ「体をゆるめれば、心もゆるむ」の続きです。
■最後に涙を流したのは、いつですか?
感情のままに泣いて、涙を流す…子どものころは、よくあったことだと思います。
転んで痛いとき、寒くてかじかんだとき、親や先生に叱られたとき、きょうだいゲンカで悔しかったとき…。
でも、大人になると涙を流す頻度は減った ことと思います。
大人が泣く理由と言えば、
・失恋したとき
・親しい人と別れたとき
・身近な人との争い
などの、“切ない涙”や“悲しい涙”でしょうか。
ある人の経験として、
「ふと訪れた名前も知らないピアニストの演奏会で、初めて聴く曲なのに、理由もわからず突然ポロポロと涙が流れ出した」
という話を聞きました。
初めて聴く曲で、特に思い出があるわけでもありませんが、知らない演奏者が奏でる音に “心がとけていくように”涙が流れた そうです。
このように “よく分からないけれどポロポロと流れる涙” もありますね。
そんな涙があふれたときには、「自分の心が張り詰めていたんだな」と自分の心の状態と向き合ってみませんか。
■涙を流すということ
大人になると、理性的な理由で涙をこらえることが増えます。
「なんで泣いているの?と思われるのが嫌」「泣いている姿を見られるのが恥ずかしい」「泣くなんて子どもじみている」などの気持ちが邪魔をして、涙を流す心の動きを無視して現実に戻ろう とします。
でも、涙があふれるということは “心が動いている” ということ。そのまま、心の動きを体にゆだねて も良いのではないでしょうか。
“泣かないこと”で、心の防御壁が高くなっているかもしれません。
泣いた後には、心もゆるんでいることと思います。
そのためにも、前回もお伝えした「安全な場所」と「安心できる人」の存在が欲しいものですね。
(臨床心理士 調)