こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
3月も下旬に入り、春らしい暖かな日が増えてきました。
菜の花の黄色が目に飛び込んでくると、気持ちが華やぎますね。
さて、今回のテーマは「声の出し方は?」です。
普段、無意識のうちに出している“声”ですが、その人の印象を左右することが少なくありません。
■声の高さ・話すスピードで印象を変える
私が臨床心理士の仕事をするようになってから、人と話をする時の声の出し方をより意識するようになりました。
臨床心理士駆け出しの頃は年齢が若かったので、地声のままだと高くなりがちでした。また、感情が入ると早口になる傾向もありました。
まだ経験が浅い私に対して、当時のクライアントさん達は“人生経験が十分にある”と思われる方がほとんどでした。そのため、私にはクライアントさん達に対して恐縮する気持ちもありました。
また、クライアントさんの中には、遠方からお越しになる方もいらっしゃいます。そのような方から、「君のような若い者に何が分かるんだ?」と出来るならば思わせたくない、という気持ちもありました。
そのような思いから「声の出し方・トーン・間合い」に意識を向けるようにしました。
具体的には、低めの落ち着いた声でゆっくり話すことを心がけたのです。
そうでないと、クライアントさん達に失礼に当たると感じました。
お手本にしたのはNHKのアナウンサーや討論番組の司会者ですが、低めの声はお腹から出すイメージで努めました。
■声にはその人の生き方が表れる
当時の事を振り返ると、「高い声を出す=女の子らしくて可愛い」という捉え方があったように思えます。
ある意味で学生気分が抜けきらないままだったのかもしれません。
しかし結果的には、低い声を出すように意識したのが“落ち着きのあるしっかりした自分”への道のりのスタートだったように思えます。
それは「女性であるから」よりも「1人の人間」として“そうありたい”と思う自分へのスタートです。
例えば、ビジネスの場面で信頼感を得られるのはどのような人でしょうか?
低めの声でゆっくりと落ち着いて話す人は、信頼されやすいように思えます。
最初は仕事の時だけでも低めの声で話す事を意識すると、普段もそちら側へ自然にシフトしていくことでしょう。
それは「生き方が定まっていく」ことなのかもしれない、と思います。
そう思うと、声の出し方でその人の生き方・あり様が透けて見えるかもしれません。
「声=その人らしさが表現されているもの」として、大切に扱いたいものです。
(臨床心理士 調)