こんにちは。博多駅近くにある心理カウンセリング機関「福岡臨床心理オフィス」です。
梅雨に入り、蒸し暑さを感じる日が増えてきました。
でも、美しく咲き誇るアジサイの花を見ると「梅雨も悪くないな」という気持ちになります。
感情をどこにフォーカスするかによって、“気持ちの心地よさ”は変わるとも言えますね。
さて、今回は「女性カウンセラーが好まれる意味」について書きたいと思います。
■臨床心理士・看護師・教員の男女比は?
「福岡臨床心理オフィス」には、女性カウンセラーと男性カウンセラーが在籍しています。ともに長年の経験をもち、数多くのクライアントさんと向き合ってきた実績があるカウンセラーです。
さて、臨床心理士が集まる研修会の会場で男女比を見てみると、女性の心理士が多い印象があります。割合としては、3:1程度でしょうか。
そんな時にふと思い出したのが、以前働いていた総合病院における看護師さんの男女比です。
ナースステーションには女性のナースが多かったと思います。ちなみに、その頃「看護婦」から「看護師」へと名称が変わりました。
スクールカウンセラーとして勤務していた当時の小学校では、女性教諭の割合が多かったと記憶しています。しかし、現在は変化しているのではないでしょうか。
なぜならば、子どもにとって学校とは“社会を経験する場所”だからです。そのため、一番最初に社会を経験する場所である学校には、性別や年齢、そして得意分野も異なるさまざまな人がいる方が望ましいでしょう。
■母親・父親との関係性が、カウンセリングの場に影響する?
話をカウンセリングの場に戻すと、クライアントさんの中にはカウンセラーの性別を指定される方も時折いらっしゃいます。
「女性カウンセラーが良い」「女性でなくても良い」などと言った声を聞くと、私の中でいくつかの想像が膨らみます。
女性カウンセラーの方が親しみやすい方は、きっと元々の人間関係で母親との関係が悪くないのではないでしょうか。
または、姉妹と良好な関係を築けているのかもしれません。
一方で、元々の人間関係で父親を信頼できた方は、男性カウンセラーに抵抗がないのかもしれません。
簡単に言えば、幼少期に母親との関係がほどほどに良好であれば、女性全般に対して好印象を持ちやすく、父親との関係が適度に良ければ、世の中にいる男性に対して良い印象を持ちやすい、と言えるかもしれません。
また、母親や保育士さん、養護の先生などの女性が過去に受け止めてくれたという記憶がある方は「女性なら自分の話に耳を傾けてくれる…」、そんなイメージが女性カウンセラーに重なるのかもしれません。
人とつながりながら現実世界で生きていくことを想像すると、過去の経験に影響されることを認めつつも、「日々人の理解を更新できると良いな」と思います。
“カウンセリングがうまくいく”というのは、クライアントさんが今まで踏み込めなかった領域に触れて、それまでの経験とは違う体験や出会いをした場合かもしれない、とも考えます。
(臨床心理士 調)