こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
7月も終盤に入り、日中の気温が30℃を超える日が増えました。
抜けるような青空に映える入道雲を見ると、「今年も夏が来たな」と実感します。
新型コロナウイルスの感染予防に気を配りつつ、夏の訪れを楽しみたいですね。
さて、毎回“こころの健康”に関する話題を題材に綴っている当ブログですが、今回は私自身が好きなことについて書きたいと思います。
テーマは「旅行がしたくなったとき」です。
■お気に入りの場所・長野県について
いつもの日常の流れは大切にしたいと思っていますが、時にはポンと物理的距離を越えて空気が違う場所へ行きたいと思う時があります。
その場の空気の味が違う、匂いが違う、聞こえる音や視界に広がる景色、肌に触れる湿気が違う…。
旅行に行った時の興奮する感じは、身体に動物的なカンが蘇るからだと思います。
そして、全身で「この場所はOK!」と感じる場所が、その人にとって“ご縁がある”場所なのでしょう。
私にとってのそのような場所は、信州・長野県です。
私が住んでいる福岡県から長野県の松本までは、ありがたいことに直通の航空経路があります。フジドリームエアラインズから就航していて、福岡空港から約1時間30分で松本空港に到着します。
松本空港があるのは、高度658mの場所。“日本で一番空に近い空港”と言われ、飛行機を降りた瞬間に少しひんやりとした空気に包まれるのです。
それと同時に、時間がのんびりと進み始めるような感覚も覚えます。
かつて読んだエッセイに、このような一文がありました。
「長野県民は高所に定住しているので、(酸素が薄いことで)ゆっくり呼吸してのんびり過ごしている」。
その部分が、とても印象に残っています。
ゆっくり呼吸をすると、副交感神経の働きがスムーズになり、ホルモンの状態を整えたり免疫力を高める効果が期待できます。心も落ち着いた状態になるので、ストレスが軽減するのです。
ちなみに、平成27年に厚生労働省が発表した都道府県別平均寿命データでは、長野県の女性は全国1位(87.67歳)、男性は全国2位(81.75歳)という結果が出ています。
酸素が薄い環境で生活することが、身体に良い影響をもたらしているのかもしれませんね。
■長野県で好きな場所は…
松本空港はこじんまりとしていて、アットホームな雰囲気です。飛行機から乗客が降りたら、空港の出口付近でレンタカーの受付をしますが、降り立つ人数が少ないのですぐに終わります。そして、手続きを終えた人からサッと目的地へ向かうのです。
南方面へ行けば八ヶ岳や清里、東へ行けば軽井沢、北の方向へ進めば北アルプスが広がり、上高地のランドマークでもある河童橋があります。河童橋は、芥川龍之介の作品『河童』にも登場するので、ご存じの方も多いかと思います。
そして軽井沢と言えば、言わずと知れた避暑地ですね。洗練されたお店や有名なスポットも多い、長野の人気観光地です。
魅力的なスポットが数多く存在する長野県ですが、その中でも私が好きなのは八ヶ岳です。
八ヶ岳は長野県と山梨県にまたがっている大きな山岳で、九州の山岳とは異なる迫力があります。季節ごとに異なる表情を見せ、何度訪れても新しい驚きと魅力を感じられる場所です。
中でも私にとって印象的なのは、八ヶ岳の登山道の始まり。苔むした原生林は、まるで映画『もののけ姫』の世界のようだと思いました。
まるで違う世界に迷い込んだかのように神秘的な光景が、記憶に残っています。
そんな風に、ずっと心に残る景色にふと出会えるのが“旅”だと思います。
時には日常とは違う空気を吸える場所へ行って、新たな出会いや発見を楽しむのも良いですね。
(臨床心理士 調)