こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
2022年に入り、早くも1カ月が過ぎようとしています。再び新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、適切な感染予防対策を行って冷静に毎日を送りたいですね。
さて、新年に入って新たな目標を掲げた方も多いかもしれません。
目標に向けて努力を重ねることも大切ですが、今あなたが持っている能力にも目を向けてみませんか。
本日は「あなたの資源(リソース)」について書きたいと思います。
■自分の「資源(リソース)」って何でしょう?
「資源(リソース)」という言葉を聞きなれない方もいるでしょうか。
「資源」という言葉を調べると
1 自然から得る原材料で、産業のもととなる有用物。土地・水・埋蔵鉱物・森林・水産生物など。天然資源。「海洋資源」「地下資源」
2 広く、産業上、利用しうる物資や人材。「人的資源」「観光資源」
(デジタル大辞泉/小学館)
と記載されています。
次に、社会心理学のことばである「心理社会的資源」
社会心理学では
- 内的資源(身体的特徴、心理的特徴、対人関係能力、知能やEQなど)
- 外的資源(制度、しきたり、財力、家族、利用可能環境など)
を統合して、その人の持つ「心理社会的資源」であると考えます。
それを量的に把握しようとしたり見える化しようとする事で、何を本人にサポートしたら良いかを考えるわけです。
そうです。
つまり、あなたの身体や心、家族・友人、さらには知識・才能・経験・技術・経済力…すべてがあなたの「資源」なのです。
10代から20代前半までは、学校生活が日常のほとんどを占めています。そのため、学校内での評価=自分の評価に繋がることが少なくありません。
たとえば、
- 成績が良い
- スポーツに秀でている
- 芸術面で才能を発揮する
- 異性にモテる
ことなどを代表とした“目に見えて”本人も他人も納得できることが、その人の価値として認識されやすかったと思います。
その中で、目に見える活躍ができなかった場合に
「私は大した人間じゃない」
「私は賢くない」
などといった、否定的な言葉を心の中で呟いた経験がある方もいらっしゃるでしょう。
心の中にある否定的な言葉を積み立てた結果、自尊心が低くなってあきらめや自発性の欠如に繋がると“負の連鎖”になることも。
もしかしたら、学校を卒業した現在でもそれがコンプレックスになって、心にしこりのように残っているかもしれません。
いまいち自分に自信が持てず、ついマイナスの言葉を脳に刻み付けてしまう…。まさに、負の連鎖ですね。
■社会人にとっての「評価」とは?
学生時代における“人の評価”は上記のような分かりやすいものですが、社会人になるとどうでしょうか。
社会人として重視される能力には
- 人と協力できる
- 感情をコントロールして不機嫌を露わにしない
- 素直に過ちを認めて、改善する
- 人からのアドバイスに耳を傾け、役に立つ内容であれば受け入れる
- 時間を守る
- 公共の場でのマナーを守れる
- 自分のお世話が自分でできる
- 目的に沿った行動を継続する
- 自発的に問題解決する力
などが挙げられます。
一見すると地味なことかもしれませんが、これらの能力が幸せに生きるためにも大切であると思います。
TVやSNSなどで、何かしらの秀でた能力がある人や、華やかな生活を送る人を目にする機会が多々あります。その人たちを自分を比べて「どうせ自分は…」と卑屈な気持ちを抱いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、自分自身がもっているものに光を当てることが、満足感の高い人生を送るためには重要だと思っています。
どうぞ、あなたが既に持っている「資源」に目を向けて育てていきましょう。
(臨床心理士 調)