こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
本格的な秋の訪れを感じる日が増えてきました。日暮れが早まると少し寂しい気がしますが、秋の夜長は読書や映画に浸ったり、お気に入りの音楽に耳を傾けたりと、豊かな“おうち時間”を楽しめるひとときでもあります。
また、日中も過ごしやすい気温になり、ドライブやハイキングを楽しむ人も多いことでしょう。
今回のブログは、私自身の経験を交えて「新しい体験をしていますか?」というテーマでお届けします。
巨峰の名産地・田主丸町でブドウ狩り
最近、少しずつ新型コロナの警戒感をゆるめて、行動的になろうとしています。
私がこの頃体験して予想よりも断然楽しかったことは「田主丸町の巨峰狩り」です。
田主丸町は福岡県久留米市にあり、福岡を代表するフルーツの名産地。巨峰をはじめ、柿や桃なども有名です。また、巨峰栽培発祥の地でもあり、旬の時期になると数多くのブドウ農家が「巨峰狩り」を行っています。
私は巨峰狩りを体験するまでは、自分が住んでいる福岡市と田主丸町の流通が良いので、スーパーや青果店が仕入れている農家さんの名前が入った巨峰でも十分美味だと思っていました。
店頭に並べられた旬の果物は見るからに美味しそうで、その中からじっくり吟味して良さそうな巨峰を選んでいたのです。
今回、巨峰狩りが予想をはるかに超える楽しさだったのは「農園によって巨峰の味がかなり違う」ということを、五感で感じ取ったからでしょう。
巨峰狩りを経験して得た満足感
私が田主丸町へ足を運んだのは、お天気に恵まれたある日のこと。
「ブドウ農園マップ」を見ながら「どこの農園に入ろうか」と迷うところから、すでにワクワクしていました。
最初に選んだブドウ農園は、人のうわさで良いと聞いたところ。お店の外観も可愛らしく、期待が高まります。
足早に中へ入って、早速ハサミとカゴをもらおうとしたところ、お店の方に「ちょっと味見をしませんか」と勧められました。
差し出された巨峰をほおばると、ふわっとフルーティーな香りと巨峰ならではの濃厚な甘さが口いっぱいに広がります。しかし、それは最初だけ。噛むにしたがって水っぽくなり、「あれ?」と残念な感想に…。
“ごめんなさい”と心の中で謝りつつ、その農園を後にしました。
次に選んだのは、日当たりが良く水はけも良さそうな場所にあるブドウ農園。
まるで昔の人が美味しい果実を山へ探しにいく時のように、「どのような立地なら美味しい巨峰が育つだろう」と知恵を出して、選びました。
こちらのブドウ農園でも巨峰を試食することが出来たため、一粒口に含むと…口の中で巨峰の豊かな香りとコク深く甘い果汁がパッと弾け、噛むごとにフルーティーさが呼応するような美味しさです。
早速ハサミとカゴを受け取り、農園の人の案内でブドウ畑へ。山裾にあるブドウ畑には濃い緑色をした美しい葉が生い茂り、巨峰には一房一房丁寧に袋が掛けられています。
農園の人から美味しい巨峰を見分けるポイントを教えてもらいました。
袋の上から見ても分かるようなハリがあること、皮が赤っぽくなくて黒いこと、茎の色はキレイな緑色であること…。
そうして選んだ巨峰の茎をハサミで切る時には、嬉しい気持ちがこみ上げてきます。
多分、昔の人間が「これだ」と選んで獲得する時の快感かもしれません。
手や身体を使うことも含めての充実感が、そこにはありました。
新しい体験がもたらしたもの
巨峰狩りの制限時間が終わると、農園の入り口で収穫した巨峰の重さを量って料金を支払いますが、スーパーや青果店とは違って農家さんと直接お話ができます。
「手をかけて育てましたので…」という農家さんの言葉を、その表情から「本当に大切に育てたのだろう」と信じることが出来ました。
こうして、初めての巨峰狩りは大満足な経験に終わりました。
来年の秋も、そしてその次の年も「巨峰狩り」を季節の行事にしたいと思います。
普段とは違う体験が、新たな発見や感動、知識を与えてくれるということを、改めて実感した一日でした。
(臨床心理士 調)