こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
11月に入り、朝晩の冷え込みが一層厳しくなってきました。年末に向けて忙しくなってくる時期ですが、心身の健康には気を遣いたいものです。
さて、当ブログでは臨床心理士の立場から“こころ”に関する様々な話題をお届けしていますが、今回は「自分の能力を伸ばす集団の力」について綴りたいと思います。
集団の力がもつ効果とは
私は週に1回、1時間のピラティスのグループレッスンに通っています。
ちなみに、ピラティスはドイツ人のジョセフ・
マシンピラティスのレッスンに通い始めてから約3年の月日が経過して、ようやくグループの中で「私はこの動きができません」ということがほとんどなくなりました。
そのような時に感じるのは「グループの力でここまで出来るようになった」ということです。
もしもこれがマンツーマンのレッスンであるならば、苦手な動きは「出来ません…」と諦めてしまうことでしょう。
たとえ先生に「もう少し頑張ってみましょう」と励まされても、私の“やる気スイッチ”が入るかどうかは怪しいものです。
ところが、信用できる指導者によるグループレッスンの場合、指示の通りにメンバーがそれぞれ動こうと努力します。
能力には個人差がありますので、スッと素早くできる人もいれば、コツをうまくつかめず他のメンバーを見ながら真似をする人、体力がもたずに早く終わる人もいます。
その結果として、「自分ももう少し上手になれると良いな」という空気感が醸成されることが、グループ(集団)の効果であると感じます。
そうした空気感の中で、皆がそれぞれ少しずつ上手になります。
集団にいることで自分の位置(上達加減)が分かる
さて、こういう集団の力を利用して、自分自身に対して良いプレッシャーをかけられる場を見つけていきましょう。
例えば、
- 図書館の自習コーナーで勉強する
- 何かを創作するワークショップに参加する
- マラソン大会など、そのスポーツを好む多くの人が集まる場に参加する
- 少人数での勉強会や読書会
- 模擬試験を敢えて受けてみる
などです。
1人でコツコツと努力を重ねることも大切ですが、集団の持つ力を上手に利用できると小さな自信が持てたり、他人がまぶしく見えて“近付きたい”と思ったり、「この調子で良いのだ」と安心感を得られるように感じます。
その分野の中で自分がどの程度の位置にいるのか、上達加減を知ることもできるでしょう。
もちろん、集団の中には場の空気を乱す人がいる場合もあります。そうした集団に参加することでストレスを感じることもあるでしょう。
大切なのは、指導者にファシリテート能力(良質な結果が得られるように活動のプロセスをサポートする能力)があるということと、参加者が指導者(管理者)へ信用があ
居心地よく感じられる集団かどうかを見極めて、自分に良いプレッシャーをかけられるようになりたいものです。
(臨床心理士 調)