「定点観測」の勧め~大切な相手や自分自身の変化を察知しよう~-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
2023年も6月半ばを過ぎました。少し郊外へ足を運べば、ふわりと光る蛍の姿を楽しめる時季です。美しくも儚い光を見て癒される人もいれば、感傷的な気分で物思いにふける人もいるでしょう。
梅雨時期は心身の調子を崩しやすい人が増えますので、健康管理には気を付けたいものです。

さて、毎回“こころ”をテーマに臨床心理士の目線から様々なテーマでお届けしている当ブログ。今回は「定点観測」をキーワードに、人間関係や自分自身の気付きについて綴りたいと思います。

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ある結婚式で耳にした「定点観測」のお話

皆さんは「定点観測」という言葉を目にして、何を想像しますか?
もともと「定点観測」とは、海洋上の定点で行われた気象観測業務です。
また、それに類似して定点から画像、天候、気象、数、交通量、火山の活動状況などの情報を時系列的に観測(観察)比較して、分析の為にその差異情報を提供する場合にも「定点観測」という言葉を用いられることもあります。
しかし、現在では経済界などでも使用されています。どうやら、「モニタリング」や「ウォッチング」と同義語のように使われていることも多いようです。

ところで、「定点観測」という言葉に関することで、私の記憶に刻まれているエピソードがあります。

それは、知人の結婚披露宴に招かれた時のことです。私は新婦の側で出席しました。
広々とした披露宴会場には色とりどりの花々が飾られ、ハレの日をお祝いする空気で満ち溢れています。誰もが笑顔で、二人の新しい門出を祝福していました。
披露宴が進んでいく中、新郎が勤務している企業の上役さんが顔をほころばせながらお祝いのスピーチを始めました。そのスピーチの中で述べられた「定点観測」にまつわる言葉が、妙に印象に残っています。

「新婦に、1つお願いがあります。新郎とこれから日常生活を過ごす中で、新郎の定点観測をして欲しいのです。それは朝出かけるときでも、夜に帰宅したときでも構いません。新郎の表情や動き、声のトーン…。それを見続けていただきたいのです。」

このスピーチを聞いて、私は新郎が働く会社が本来の意味での「定点観測」が必要不可欠な事業であることを理解していて、大事な人に対してもそれがあって欲しいと言っていると思うと感心しました。確かに、定点観測をしているからこそ相手の変化を察知できるのでしょう。

「確かに…」と感心しつつ、同時に、妻が夫に意識を向けるだけではなく夫側も妻を定点観測して欲しいものだと苦笑しました。

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自分自身を定点観測して調子を知る

身近にいる相手とお互いに定点観測する意識や時間的な余裕があれば良いですが、現実には難しいかもしれません。
そのような時は、自分で自分の定点観測をするのも良さそうです。

朝起きた時の自分の様子…例えば、

    • 身体の軽さ
    • 睡眠によって頭の中をしっかり休められたという実感
    • 痛みを感じる場所があればその個所や程度
    • 「今日はああして、こうしよう」といった前向きな気持ちがあるかどうか

などです。

ちなみに、私にとっては普段通りに車を駐車できるかが自分の調子を知るポイントです。駐車する際に何度も切り返しが必要な時は、要注意だと思っています。

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もしも身体が硬かったらストレッチをする、あまり気持ちが前向きにならない場合には日光に当たって深呼吸をするといった、自分の調子整えるための対処法を知っておくのも良いでしょう。

「定点観測」という言葉には意味深な響きがあって、面白いとも感じています。
皆さんも、身近にいる人や自分自身の定点観測をしてみませんか。

(臨床心理士 調)

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