こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
2024年に入り、早くも1カ月が過ぎようとしています。
年末年始は様々な催しが開催され、この数年間なかなか積極的に動けなかった人も、外出の機会が増えたかもしれません。
とは言え、まだ寒い日が続きますので、健康管理には十分気を付けたいものです。
さて、毎回「こころ」の話を軸に色々なテーマでお届けしている当ブログ。今回は、臨床心理士がカウンセリングで行うことについてお伝えしたいと思います。
これからカウンセリングを受けてみたいと思っている方の参考にもなると思います。
カウンセリングに対するイメージって?
コロナ禍を経て、それまでとは全く違う日常を過ごす中で「生きていくうえで大切にしたいものは何か」を、自らに問いかけた人も多いのではないでしょうか。
自粛生活が続いて行動が制限される中、社会的にも“人のこころ”に対する関心が高くなったと思っています。
しかしながら、自分のこころに違和感を覚えた際に「カウンセリングを受ける」という方法を選ぶのかというと、そこに迷いが生じる場合がほとんどでしょう。
“カウンセリング”という言葉の響きに、何とも言えないうさん臭さを感じる気持ちも理解できます。
もしも“カウンセリング”を違う言葉で言い表すとしたら…?
「心理療法」「サイコセラピー」「コーチング」「代替療法の一つ」などでしょうか?なかなか、ピタリと当てはまるものは無いように感じます。
臨床心理士に話すことと友達に話すことの違いは?
話は変わって、あるクライアントさん(Aさん)が当オフィスでカウンセリングを受けた時の感想として、何気なく語った言葉が印象に残っています。
ある日、Aさんは親友から「カウンセリングって、友達と話すのと何が違うの?」と聞かれたそうです。
その質問に対して、Aさんは「全然違う。“質問する事の意図”が違うんだよ」と答えた、とのことでした。
Aさんの言葉遣いのセンスに感心したと同時に、「なるほどね」と思いました。
確かに、臨床心理士側はいくつかの質問をもとに、何かを明らかにしていくプロセスをたどっているかもしれません。
カウンセリングでは何を聞かれるの?
「何かを明らかにしていく」ためにする質問があるとして、たとえば何を目的にしているかと言えば、
- クライアントさんのもつ不安の質はどのような種類か
- ピンチになった時に自分を守る術はどのようなものか
- 親密でありたい人との関係づくりをどのようにしているのか
- 何を喪失して、どのような悲しみを抱えているのか
などがあります。
こうして書き起こしてみると、カウンセリングルームの中で交わされるやり取り、特に「インテークインタビュー」と呼ばれるカウンセリングの初期で行うクライアントさんに関する情報の集め方は、友達と話をするものとは性質が異なると思います。
当オフィスでのカウンセリングでは、1回目と2回目で
- カウンセリングの使い方の説明
- クライアントさんの困りごとについて具体的(いつから、現状はどうか、生活の支障の程度、生活リズム、休日の過ごし方、家族のことなど)に話してもらう
ことを中心に行っています。
カウンセリングの中身とは?
私たち臨床心理士はインテークインタビューの後に、クライアントさんが今困っている心の違和感はどこからやって来ているかの見立てをします。
それをすぐにお伝えすることもありますし、伝えられるチャンスを持つこともあります。
臨床心理士(カウンセラー)とクライアントさんがある程度納得できる同盟を結び、困りごとの改善や良く生きるため、共に作業を進めていくのがカウンセリングの中身です。
もしも当オフィスでカウンセリングを受けて「役に立ったよ」と思ってくれたクライアントさんは、ご自身の言葉で
- カウンセリングをどんな風に利用できたか
- カウンセリングが何に役立ったか
を教えてくれるとありがたいと思います。
(臨床心理士 調)