こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
朝晩の空気がひんやりして、秋が深まってきたことを感じる頃となりました。
日が暮れるのも早くなり、夜が長くなったと感じる方も多いのではないでしょうか。
さて、毎回「こころ」に関するさまざまな話題をお届けしている当ブログ。
今回は「自分のヤル気スウィッチonとoffに気がついてますか?」という話題で、綴りたいと思います。
今回は「off(ゆるめ方)」編、次回は「on(入れ方)」編をお届けするシリーズです。

頑張る方ほど、気づきにくい
当オフィスに来所されるクライエントさんには、仕事場でのストレスを抱えているという方が多くいらっしゃいます。
お話を伺っていると、仕事への態度が誠実で、求められる業務をしっかり遂行したい方がとても多いと感じます。
どちらかと言えば、ヤル気スウィッチonで努力を続けているタイプです。日本人の美徳かしら…とも思います。
一方でこのようなタイプの方は、雇う側(企業など)から見れば有り難い存在です。
感謝や評価をもらうことも多く、ある時期の関係は良好と言えます。
仕事をしてくれるので、また依頼する。本人も仕事が早いので、また受けてしまう。
ところが、ある期間が経過すると、次のような状態になっていきます。
・「頭の中に仕事の件がちらついて、頭の中がずっと忙しい…」
・「今日やった仕事、ミスしてないか、あれで良かったのか」と、1人反省会をしている
・「自分だけが忙しくしているのは不公平」と、少しイライラ
これは本人の頭の中の状態で、人からは見えません。
周囲に気付かれないまま、スウィッチがoffになりにくい状態が続いていきます。

身体からの「黄色信号」
その後、次のような身体面からの黄色信号がともります。
・入眠が悪くなる
・起床予定の時間よりも早く目が覚める(早朝覚醒)
・食欲が落ちたり、亢進したりする
・下痢や便秘などの腹部症状が出る

この背景には、自律神経系の働きがあります。
簡単に言えば、自律神経系は自分の意思ではコントロールできない心臓、呼吸、胃腸などの働きを調整する神経で、2つのモードがあります。
・交感神経はアクセル。日中の活動や緊張、頑張るときに優位になります。
・副交感神経はブレーキ。休息、回復、消化のときに優位になります。


本来は、日中に交感神経が高まり、夕方から夜にかけて副交感神経が優位になるという切り替えが、自然に行われます。
その中で、昼休みに“身体をゆるめる中継点”を作ることで、午後に再び「on」にすることが可能になりそうです。
ところが、ゆるめず頑張り続けると、アクセルが踏みっぱなしになり、リラックスの感覚を忘れてしまいます。
「ゆるめましょう」と言われても…
こうした状態に対して、私がクライエントさんにお伝えするのは、次のような言葉です。
「ゆるめましょう」「リラックスタイムを作りましょう」「笑いましょう」
すると、「えっ?どうやってゆるめるのですか?」と聞かれることもあります。
子どもの頃を思い返してみると、自然な身体の働きとして「スウィッチon」「スウィッチoff」を、自律神経が上手くやってくれていたはずです。
残念ながら、年齢の上昇とともに、そのバランスを自然に整える力が弱まり、意識することが必要になってきます。
offでゆるめることを上手にして、onで力を発揮する。このサイクルを作ることが大事です。

具体的にどうやってゆるめる?
では、実際にどうやって「off(ゆるめる)」に切り替えていけばよいのでしょうか。
「リラックスしなければ」と頑張る必要はありません。
大切なのは、自分の身体や感覚が「少し力が抜ける」と感じられる時間を、意識して作っていくことです。
人によって心地よいと感じる方法は違います。
音を聴く、香りを楽しむ、身体を動かす、温かいものを味わう、人と話すなど、五感を使って頭の中の忙しさから少し離れる方法があります。

ここでは、日常生活の中で取り入れやすい「ゆるめ方」をいくつかご紹介します。
・深呼吸:良い空気をたくさん吸うと、長く吐けます。早朝の空気、木々の近く、海や川の近くはお勧めです。
・BGMの工夫:人の声の情報(YouTube、テレビetc.)よりも、リラックスできる音楽や自然の音(森林、波の音etc.)を流します。
・夕方からはカフェインの摂取を控えて、ハーブティーなどを飲みましょう。
・アロマの好きな香り:良い匂いを嗅いでいると、呼吸が深くなります。
・美味しい食事をゆっくり食べる
・お風呂(浴槽)につかる
・ヨガやストレッチで身体をゆるめる
・短い昼寝
・ジョギングなど慣れた動き
・家族や友人などとの他愛ない会話
これらは、頭の中の忙しさを五感の別の刺激によって休息モードにしていく考え方です。
そして眠りにつく時は「今日一日頑張りました。なので安心して眠りましょう」と、自分に声掛けをしましょう。
どうぞお試し下さい。
次回は、反対に「ヤル気スウィッチをonにする方法」をお伝えします。
(臨床心理士 調)


