外界にあるものごとや出来ごとに反応して、人の心は快・不快を感じます。
しかしこれは、外界のものごと・出来ごとに対して、心が直接的に反応して、感じ方が決定されているわけではありません。
外界のものごと・出来ごとを、その人が「どう捉えるのか」という捉え方のステップがあり、その捉え方次第によって、感じ方が決定されるというプロセスがあります。
ものごとの捉え方(認知の仕方)を変えることによって、気持ちを整理したりする手法を、認知的再構成法といいます。
外界にあるものごとや、起きた出来ごとそのものによって、人の感じ方が絶対的に決まってしまうのではなく、捉え方次第によって気持ちのありようは変わるというのは、カウンセリングの手法の中でとても大切な考え方です。
とはいえ、物事に対する考え方や捉え方を変えさえすれば、いかようにも気持ちの持ち方、感じ方を変えられるという訳ではありません。
実際のカウンセリングでは、そのつど、「この場合どのように考えられたら気持ちが楽になりそうか」という視点から、ご本人とカウンセラーとでアイディアを出し合い、「この考え方なら実際に効果がありそうだ」とご本人が思える、現実的に役に立ちそうな考えの切り替え方を共同で話し合い、探していきます。
この、本人に合ったものを探すというプロセスがとても大切です。
(臨床心理士 清見)