HSP(HSC)を自覚したのはどんな場面でしょうか?-臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
10月に入り、秋らしい涼やかな風を感じる日が増えてきました。
街中を歩く人々の服装も変わり、季節の変化を実感します。

さて今回は、この頃その概念が知られつつある「HSP(HSC)」について綴りたいと思います。
「HSP(HSC)」については、以前 こちらの記事 でも取り上げました。宜しければご覧ください。

福岡の博多駅近くにある心理カウンセリング専門機関「福岡臨床心理オフィス」の女性臨床心理士によるブログです


■HSP(HSC)という概念について

 

「HSP」は「ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)」、「HSC」は「ハイリー・センシティブ・チャイルド(Highly Sensitive Child)」の略称です。アメリカの心理学者であるエレイン・アーロンが提唱した概念で“敏感すぎる気質”によって、日常でさまざまな影響を受けやすい傾向がある人や子どものことを指します。

最近、著名人が「自分はHSPである」と告白したネットニュースの記事を見ました。
それ以外にも、ニュースや新聞記事で「HSP(HSC)」というキーワードを目にする機会があり、「HSP」について関心が高まっていることを感じます。
さまざまな記事などで取り上げられ、その概念(特徴)を知ることで「自分もHSPに当てはまる」と自覚する人が増えているのではないでしょうか。

この概念は医学的な定義ではありませんが、その人の持つある特徴についてHSP(HSC)」という切り口を用いると、上手にすくい上げることが出来て、悩んでいる本人や周囲の理解に役立つ概念であると、私は思います。

ちなみに、この概念の近くにある別の切り口(医学的定義)としては、うすい発達障害あるいは不安障害、もしくは性格があると思いますが、本人のやりにくさ(生きにくさ)が日常生活に影響する程度頻度によって、どの概念で理解するのが良いかを考える意味があります。

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■HSP(HSC)を自覚したのは、どんな場面ですか?

 

さて、最近当オフィスに来所したクライアントさんからの相談に、「生きることのやりにくさ」と同時に「自分がHSPかも…」という方が増えました。
その方々からの話を聞くうちに、HSPを自覚した場面がどのような種類であるのかが浮かび上がってきました。

【苦手だと感じることでHSPを自覚した場面】

  1. 音・におい・空気の汚れに敏感である
  2. 人との距離感(密)に敏感である →近くをうろうろされると集中力が途切れる
  3. 上司や同僚などの威圧的・攻撃的な態度や言動に敏感である →パワハラにげんなりしている
  4. 他人の気持ち(自分に求められている期待感など)に敏感である

などです。

③は多くの人が嫌な気持ちになるでしょうが、HSPの方はそのような人が持つ「怒りのパワー」にショックを受けて、立ち直るのに時間がかかるようです。

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しかし、「敏感である」ということは「気付きやすい」ということでもあります。
上手に活かせば

  • 直感力や想像力に富む
  • 慎重に考えて行動する
  • 責任を果たそうとする真面目さがある

という長所として捉えることが出来るのです。

カウンセリングでは、①~④に対するコーピング(対処)を考えていきます。
対処法については、次回のブログでお伝えしたいと思いますので、ぜひお読みください。

大事なのは、大人の場合には自分自身で敏感さがあることを認め、何にエネルギーを吸い取られるかに気付く事なのです。

(臨床心理士 調)

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