あなたの心の世界に動物が住んでいる-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
6月に入り、鮮やかな紫色や淡い青色が美しい紫陽花の姿を見かけることが増えました。雨の日は当オフィスがある博多駅周辺に色とりどりの傘の花が咲き、目を楽しませてくれます。

さて、毎回“こころ”について様々なテーマでお届けしている当ブログ。
今回は、前回の「ユングの「タイプ論」が自分を知るのに役立つかもしれません」に引き続き、ユングの夢分析を軸にお届けしたいと思います。

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動物が出てくる夢を見たことがありますか?

かなり前の話になりますが、京都で開催されたある講演会のことです。それは、海外からユング派の先生を招いた講演会で、にこやかな先生の優しい語り口調や大らかな雰囲気が会場を包み込む、とても良い雰囲気のものでした。
会場はそれほど大きな場所ではなく、臨床心理士関係者が80人ほど集まっていました。

その講演会のテーマは「動物」で、色々な動物がもつイメージをはじめ、神話や昔話に出てくる動物の象徴する意味などについて語られました。
そうして講演会が進んでいく中で、先生から参加者に向けて「動物が出てくる夢を見たことがありますか?」という質問が投げかけられました。

会場は少し、シンとしました。それもそのはず、夢とはある程度プライベートなものですので、講演会のような多くの人が集まる場で披露するのは恥ずかしさや不安があります。

しかしながらその日の私は、自分自身が見た、動物の登場する不思議な夢の話を先生に聞いてみたいという思いの方が勝ちました。
そうして私は、先生や参加者の前で自分が見た夢の話をすることになったのです。

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私が見た不思議な夢の話

私が見た、動物が出てくる不思議な夢はこのような内容です。

草原の中にあるような1本道に私はいました。正面からゾウの大群がやってくるような地響きを感じて、地面に耳を押し付けます。
「わぁ、ゾウが来る…大変だ…」。そのような思いを抱きながら、大きな音に、耳をそばだてるのです。
それから場面は変わり、気付くと一頭のゾウの上に乗っている自分がいます。何やら、そのゾウと親しくなっている感覚があり、嬉しさや安心感を抱いた印象があります。

以上が、私が見た動物の登場する不思議な夢です。
会場ではこの夢についていくつかのやり取りがあって、私にとっては心に刻まれた夢となりました。

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動物が出てくる夢の解釈とは?

夢には様々な解釈があると思いますが、私にとっては「ゾウ」が知恵や力を象徴すると解釈して、その集団の流れは大きな力であり、当時勤しんでいた「臨床心理学の知の集まり」だと思いました。そして、結果的に私は臨床心理学の“知”を恐れずに、また大きな力に踏みつけられずに「共に歩むことが出来た」ことを表す夢ではないのだろうか、と今でも思っています。

ちなみに、他の動物や生き物についても興味深い解釈がありますので、代表的なものをいくつかご紹介します。

・馬
肉体的精神的活力、天と地の仲立ち、身分の高い者に相応しい

・フクロウ
叡知、予言の力、暗闇と関連を持つ鳥

・魚
無意識(海の象徴)に隠されている自己、新たに生まれた意識の世界

※出典/イメージシンボル辞典(大修書店館)

これらはいつも同じ意味としては使用せずに、夢で語られる内容や場面で解釈が変化します。

話を元に戻すと、講演会で先生が語った「心の世界に動物が住んでいる」という言葉も、心の中にさり気なく、ずっと残っています。
あなたの心の中には、どんな動物が住んでいますか?

(臨床心理士 調)

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