「障害受容」という長い道のりに伴走する大切さ-福岡臨床心理オフィスの臨床心理士によるブログ-

こんにちは。福岡臨床心理オフィスです。
11月に入って10日が過ぎ、本格的な秋を実感する日が増えました。朝晩のひんやりとした空気や、鮮やかに色付いた街路樹、夜空を見上げれば美しい月が輝いています。
秋の夜長は、ゆっくり読書したり、アロマをたいたり、ストレッチをするなどして自分自身のお世話にも時間を使いたいものです。

さて、毎回“こころ”のことをテーマにお届けしている当ブログ。今回は、先日講話を行った「ウェルビーフォーラム2023 九州・中国・四国 第4回就労フォーラム」で繋がった方々とのお話の中で気付いたことについて、綴りたいと思います。

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ウェルビーフォーラムを通じての出会い

この頃、ウェルビーフォーラムをきっかけに、通常業務では知り合えない方々とお話をする機会があります。
例えば、精神科の訪問看護を行っているナースさんや、就労継続支援A型事業所を運営している方、公的機関で就労支援をサポートしている方などです。

その方々の話をうかがっていると、それぞれのフィールドにおいて、目の前の利用者さんや患者さん、関わっている方に対して、その方の働きが意味のあるものになるよう努力されていることが分かります。
当たり前のこととはいえ、お話をすることで再認識しました。

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障害でその人の全ては決まらない

ところで、WHO(世界保健機関)は全世界における障害者人口の割合を10%と見積もっています。障害には身体・知的・精神があり、その全てが含まれた人数です。
一方、国際連合広報センター(UNIC)は、全人口のおおよそ15%にあたる10億人が、何らかの形で身体的、精神的もしくは感覚的な障害で苦しんでいるとしています。
日本の内閣府のデータを見ると、人口1000人当たりの人数で身体障害者は34人、知的障害者は9人、精神障害者は33人となり、およそ7.6%が何らかの障害を有していると思われるとのことです。

これらのデータをみると、全人口の8%~15%に障害があると考えられそうです。

しかし、障害がある方が元々もっている能力や個性、得意な事、不得意な事、出来る事、出来ない事は多種多様であることを忘れてはいけません。何らかの形の障害が、その方の全てを決定付けている訳ではないのです。

アメリカでは、障害者を「persons with disabilities」と表現します。障害の前に、「person」つまり「人」がきています。この表現の方が私はしっくりと感じます。

ただ、「“with disabilities”でも何でも出来る」という強気な勢いまかせは現実的ではないし、「“with disabilities”だから何も出来ない」という暗く沈んだ世界でもないと思います。

また、別のタイプとして、知的能力は高い一方で社会生活に対して生き辛さを感じる人が当オフィスに来所されることはよくあります。
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自分の「資源(リソース)」を知り、工夫する

そうすると、自分と向き合って「自分の資源(リソース)」は何なのかを認識し、受け入れていく態度が必要でしょう。
これを短い言葉でいうと「障害受容(disability acceptance)」となります。
障害受容への態度を本人が育んでいけるようにどうサポートするのかは、障害者を支援するスタッフ達に共通する悩みです。

当オフィスでも、クライアントさんが自分と向き合えるように、知識を伝える心理教育やチェックリスト、知能検査、心理検査などを行い、本人の言い分をよく聴いてその困り感を明らかにしていきます。

クライアントさんが自分に向き合い、考え、気が付いて工夫をしていくという道程は簡単なものではありません。私達臨床心理士は、そんなクライアントさんの伴走者として長い道のりを歩んでいくのです。

(臨床心理士 調)

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